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ロシアのバンドの中でも最も伝説的なハードコアバンドのひとつ、Sandinista!の2006年アルバム。90年代ハードコアの流れを汲むサウンドは、一聴するだけでは目新しさは感じづらいかもしれない。が、聴けば聴くほど曲に込めているただならぬ思いは伝わるはずだ。張り裂けるような叫びと絶望的なほどダークなサウンドが直撃する。Negative Approach、Integrity、Chokehold、Econochristなどからの影響を公言しているとおり、サウンドももちろん影響を受けているが、歌っている内容も社会問題や環境問題など政治がらみがほとんどである。全体的な雰囲気は重々しいが、自分達の抱える様々な問題と対峙していこうとする前向きなハードコアなのだ。

しかしバンドは2005年に突然の終焉を迎えた。メインソングライターだったTimurがネオナチに刺され出血多量により死亡してしまったのだ。彼はミュージシャンであると同時にアンチファシスト、アンチキリストのコミュニティに属していた。彼の残した「俺たちじゃなければ誰がやるんだ?今じゃなければいつやるんだ?」という内容の言葉はロシアンハードコアのコミュニティの歴史の中に生き続けている、とロシアの人が言ってた。このアルバムは残念ながら彼の死後2006年のリリースとなってしまったがそこに込められている思いは本物だ。

tracklist:
1 Nein, No, Net! 2:17
2 Ciphers 2:17
3 Lesser Of Two Evils 1:57
4 Fabrication Technology 2:33
5 Losing Sensitivity 2:42
6 Slow Motion Genocide 2:02
7 Serpent's Heart 2:16
8 All That We Have 5:57