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2000年代の終わり、そして2010年代の始まりという時代の中でTrainwreck、Perth Express等、様々なバンドのメンバーによって結成されたこのGLASSESというバンドの存在感は強烈だった。Ding Dong DeadやDanse Macabreといった重厚なエモバイオレンス、同時にAlpinis等のネオクラスト勢、そしてTrainweckやZannといったScreamoに通じるバンド達...当時2010年前後のドイツのシーンはまさに混沌とした様々なジャンルがクロスオーバーしながら新たなサウンドが生まれていた。というのは嘘で、カルチャー的にも列強でもあるドイツは1990年代からもUS/UKのシーンの真似ではなく独自解釈で、そして同時進行で多くのバンドは生まれていたのはみなさん知っての通り。ただそれぞれのバンドが違うようでいて、そこにはヘヴィネスという共通項があったとも思います。
で、このGLASSESはそんな新しいサウンドが生まれていくシーンの中で、逆に王道のハードコアサウンドで正面から勝負していくような潔さがある。もちろんメンバー構成上、それぞれのメンバーの持ち味でもあるScreamo感とかエモバイオレンス感とかも加味されていて、それがより一層そのかっこよさを引き立てていた。特に2ndアルバム『The Ills Of Life』は傑作だ。楽曲は3分足らずだが、その短い曲の中にものすごいドラマ性とメッセージを表現しており演奏も最高。それはタイトルの通り、『人生のあらゆる辛酸』なのだが、重く暗く、そして美しい。そんなこんなでこの完全編集盤によってドイツの2010年代が評価されるときがついに訪れるのか?いやそんな単純な話ではないはず。でもあの頃の音を追っていたリスナーにとっては大切だと思います。レコードもずっと廃盤のままでしたからね。

tracklist:
1. Sprit Crusher 01:58
2. Forever is the wind
3. IHYSM
4. Your terms 02:51
5. I laugh blood
6. The calm before the storm
7. Disacchords
8. Destination regret
9. The trashcan ode
10. Tigers
11. So right
12. Lydia
13. Your pickles taste better than mine
14. Into the wild
15. Turning cursive letters into knives
16. Mt. Ashtray
17. Vertigos
18. Fullthrottle
19. Scentless Apprentice