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moreruの2025年の最新アルバムはこれまでの作品群から更に遠くへ到達したと思う。前作EP『闇の軽音楽で包丁を弾く』はノイズ・グラインドコア・バイオレンス、そしてブラックメタルのエッセンスを冒頭から強く感じさせる内容でモノクロの解像度の低いジャケットを含め、彼らのエクストリームな側面が濃厚に出ているが本作においては、前作アルバム『呪詛告白初恋そして世界』からの流れ、つまりは "ニコニコ文化と強制的に融合されたエモバイオレンス歌謡" の極地であり、更にはセカイ系的世界観が、まさにタイトルにもアートワークにも、そして楽曲にもトータルに反映された作品であり、もはやこのスタイルの先はないのではと思える完全体のアルバムとなっていると感じる。skramzではないはずだが、その脱線のロジック、オタクカルチャーとの親和性を考慮すると未だにskramz文化圏からの支持も熱いのも納得、これは音楽的エヴァンゲリオン、音楽的な側面だけではなく、moreruという現象自体がジャパニーズカルチャーの現在の最前線を体現しているとも言える...というすごい状況が今生まれている。支離滅裂な歌詞も面白いが、受け取りたいメッセージを勝手に受け取れるという余地があるのもいい。

Tracklist:
1.初恋と戦争の準備
2.ROCKSTAR
3.完全他殺マニュアル
4.3songs
5.中卒無双
6.虐殺水泳
7.マリア様に大変な懺悔
8.乙女座最終日
9.せーの、死 (feat.STOMACH BOOK)
10.絶滅によろしく
11.討死!
12.あのね