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既に賛否両論を巻き起こしているMartyrdodの2016年最新作。
もはやクラストなのか?メタルなのか?という議論の遥か先へと進んでしまった彼らへの評価は、どの視点から彼らを見るかによって変わってくるのかもしれない。初期からバンドを追ってきたリスナーにとってはシンプルかつ整然としていくサウンドに面食らうかもしれないが、僕的には彼らの選択肢は全然アリ!むしろ『Paranoia』という名盤を生み出した時点であの方向性は彼らの中では完成系になったのではないだろうか。前に進むという意味以上に、また新しい挑戦の果てに良い音源を作ってくるところにやはり彼らの凄みを感じます。
本作での特筆すべきはサウンドの質感の大きな変化だ。バンドが新しい刺激を求め創作意欲をかき立てていくためには、何かを得るためには何かを捨て、前に進んで行く必要がある。彼らは北欧の伝統芸とも言えるD-BEAT感を始め、自分たちの代名詞とも言える要素を切り落とした。これまでの歴史的文脈を踏まえてはいるが、まるで現代技術で蘇ったサイボーグのように、その姿はモダンそのもので言ってしまうなら北欧クラストを現代に提示するための再定義だ。ノイズ的な部分までもモダン、洗練された人工物のようで、それが質感の冷たさを更に強く感じさせるような気がする。ネオクラスト的に言うなら、こういうのもアリなのかよというのがアルバムも終盤でみせる9曲目「Intervention」。ひたすらにメロディックなギターリフ同じように繰り出し続けながら華麗な美しさで疾走する。なんなんだこれは。半端じゃない。

tracklist:
1. Overlevaren 02:48
2. List 04:34
3. Wipeout 03:44
4. Oemotstandlig 02:49
5. Over pa ett stick 05:46
6. Harmagedon 04:14
7. Handlost fallen angel 03:48
8. Dromtid 01:13
9. Intervention 03:33
10. Transmission 03:52