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ネオクラストや激情の波はいま東南アジアのほうに来ている。シンガポール、マレーシア、インドネシアで新しい世代が楽器を持ちバンドを結成する。作り出される音楽は正直まだフォロワー、憧れの域を出ていないが、その源泉となるエネルギー、社会への不満をハードコアという音楽に転化しているという点では欧米諸国とパンクの本質の捉え方に差異はない。本作はシンガポールとインドネシアのネオクラストバンド2組のスプリットである。
まずシンガポールAdharaのほうは流石である。この国の音楽はどれもクオリティが高い。サウンドにも激情と知的さがうまく音楽に落とし込まれており、決して勢い任せではなく確かなものがある。1曲目「Degrading Scene」も、出だしこそこの手のバンドによくある展開だが、後半では見事に激情ハードコア、シューゲイズ要素も挿入され相当良い感触。「俺たちは生きてるか?存在してるのかよ!?」という叫びだ。インドネシアのKerberosのほうは「む、このフレーズは聞いたことあるぞ」という気もするのだが、こちらも荒々しく熱量があり胸熱な展開があるのでOK。マレーシア系激情と同じく、暑苦しい地下室の匂いがするハードコア。

Tracklist:
1. Adhära - Degrading Scene 05:00
2. Adhära - Sin-eater 04:18
3. Kerberos - Fear 06:40
4. Kerberos - Surga Hitam 04:56