関連タグ: 2010年代 アメリカ ブラッケンド 重低音

前作同様、録音はConverge他Deathwish関連のリリースでおなじみKurt Ballou先生と変わらない布陣で制作された本作は一聴した限りでは前作よりも更に進化したサウンドとなっている。ネオクラストやブラッケンドハードコア、ポストブラックなどその近いジャンル間のクロスオーバーの流れを汲むサウンドだが、アルバムの幕開けからよりブラックメタルライクなテイストが濃くなったような印象だ。圧倒的な熱量の演奏、ギターリフ、ブラストビート、そういった攻撃性のある要素が前作よりも更に黒～い形でその濃厚さを物語っている。が、個人的にブチアガッているそういった攻撃性よりも本作の聴き所はドゥームパートなのかもしれないとも思う。前作に見られなかった要素も随所に登場するのでそういったところも推せる。
より強烈になった彼らのサウンド。結果として3LAで推しているサブジャンルでもあるネオクラストやポストブラックメタル、ブラッケンドハードコアといった"叙情性のある黒い音楽"という意味ではより自分好みのサウンドが出来上がっているわけだが、DeathwishやSouthernlordといったシーンの中でも割と大手のレーベルが参入し始めており大きな意味でも今後の流れが来るかもしれないという期待は高まる。まぁその期待の裏側では、少しばかり良い音源を作る新人バンドがどんどんDeathwishやSouthernlordといった大手レーベルに獲られてカラーが染まってしまうという危険もあるわけだが・・・。とにかく、All Pigs Must Dieのサウンドはそういうシーンの心配をしてしまうくらい強烈で影響がありそうだという話。シーンの裾野はさらに広がっていくだろう。

tracklist:
1. Chaos Arise
2. Silencer
3. Primitive Fear
4. Bloodlines
5. Of Suffering
6. Holy Plague
7. Aqim Siege
8. Sacred Nothing
9. Faith Eater
10. Articles Of Human Weakness