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ヨーロッパでのネオクラスト隆興期と比較すれば、USでのそれは非常に限定的な流れであったと言わざるをえない。とはいえ、2010年にリリースされたMASAKARIのアルバムはLPは何度も再プレスされてはソールドアウトを繰り返した。CD盤はSouthernLordから後にリリースされている。いま聴いても、当時シーンへ切り込んでいく彼らの初期衝動を存分に感じ取れるUSネオクラストの名作。
ドイツから登場しシーンを牽引したAlpinistもまた同じ流れでSouthernLordからCDがリリースされたが、当時は確かにそういう流れがあった。シーンの中の主流ではないけれど誰かがサポートしなければならない流れ、それをSouthernLordが拾っていたわけだ。MASAKARIはそんなヨーロッパのネオクラストシーンと呼応しながらも、ジャパニーズハードコアへの愛を堂々と表現に取り込んでいる。サウンドもヨーロッパよりも圧倒的に泥臭く、いわゆるRAWさがあるのが良い。アメリカのバンドっぽくない美意識があり、ヨーロッパっぽくないRAWさがある。さらに言うと吐き捨て型ボーカルは、sekienにも通じるところがあり、もし日本のバンドだと言われても違和感は感じないかもしれない。

Tracklist:
1.XVI. Rapid Dominance 02:46
2.X. Pain Conceived as a Tool 02:05
3.XI. Nausea 02:24
4.VIII Echoes 00:53
5.XII Abandoned 01:58
6.XIV. The Voiceless 04:08
7.IX Tempt Providence 02:06
8.XIII. Salvation Reigns 02:46
9.XV. Echelon 01:56
10.Untitled 06:40

3LAによる2011年のインタビューはこちら >>> URL