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Las Casas Viejas、ネオクラストをある程度追いかけた人間にとってはもはやこの手のバンド名の時点で名盤の匂いが漂ってくるという感覚は共有してもらえると思う。スペイン語のバンド名だがメンバーはオーストリアとドイツに在住している6人組、しかしバンド名とは裏腹に彼らの音楽性はドゥーム、スラッジ+ブラックメタル、アトモスフェリックな音像はポストロックを通過してきたことを感じさせるが邪悪なリバーヴがかったボーカルはまるでRAW BLACKのそれ。つまりは完全に予測は外れ、期待は大いに裏切られることになったがしかし彼らは彼らで独特の音を持っていてかなりかっこいい。楽曲は基本的には長尺で大曲志向なんだけどFall Of Efrafaのような方向性ではなく、不穏、深遠、更にポエトリーも加わり怪しい雰囲気全開。全5曲なんだけど収録40分を超える。じらしにじらしたイントロからドゥーミーに始まり、最後の「Erinnerung」では予想だにしない方向にオチをつける。なんというジャンルで呼べばいいのか正直に困ってしまうが、そういう困惑を求めるリスナーに届いて欲しい。わかりやすい音ではないけどその分深さがある。バンドの情報もかなり少なく、しかしコンセプトは詰められていてカルト感を感じずにはいられない。

Tracklist:
A1 Moribundus 14:19
B1 Kein Ort 1: Nicht Die Stadt Und Lethargie 12:51
C1 Kein Ort 2: Nicht Keine Stadt Und Lethargie 09:56
D1 Klaustrophobie 06:25 D2 Erinnerung 06:23