関連タグ: 日本 2010年代 日本語 BUCKET-T EARTHBLOW ABNORMALS 3ピース オルタナ

元BUCKET-T、EARTHBLOWの斉藤 新(b, vo)、KING GOBLIN、BOVRIL、AKBKの荒木直人(dr)によるデュオに、ABNORMALSのCOMI(vo)が加わる形で結成されたギターレス・へヴィロック・トリオ“ele-phant”の2015年発表1stアルバム。
パンクでもハードコアでもなく「ロック」という呼称は今やその意味が広がりすぎて発信する言葉としては誤解を生む余地しかない。いい加減レーベルやライターは別の言葉を生み出したほうが良いんじゃないか。とにかく「ロック」ではあるけれどもこの音楽を届けたいリスナーというのはただのロック好きリスナーだけではないはず。実験精神と音楽の普遍性を両立させながら絶妙なバランスで独自世界を築き上げた本作は、未だシーンの中心部からは全く注目されていないようだけど名盤であることを断言する。ギターレス、という編成ながら彼らの音楽を聞けばギターいらねえなと納得する。様々な音を操るベースとドラムのコンビネーションでバックトラックとしては完全に成立している。そして何よりも特筆すべきなのが「歌」だ。これが圧倒的な表現力、彼の歌がこのバンドの音楽性を万人にも聴ける普遍性を持った次元にまで押し上げているのを感じます。パンク、ハードコアの持つ実験精神に惹かれている方や、日本語詩のハイクオリティなロックを求めているあなたに。
ヘヴィな曲も魅力ですが、静けさのある楽曲にはブルースを感じます。#4「すぐ」は名曲でしょう。

tracklist:
01. 扉 PRELUDE
02. 逃げ水
03. アクマニセンセイ
04. すぐ
05. 入る灰
06. 光る風
07. ジュカイナリズム
08. Black Room
09. Instant Pussy
10. 扉