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TRIKORONA - "様々な困惑" (CD)

  • 1,500 15 Pt )
世界のエモバイオレンス番外地としてのトリコロナ解釈…、いやしかし聴く人によってきっとさまざま解釈というか困惑がある、めちゃ面白い音源になっています。カッコすぎるので買った方がいい。

1stアルバム『様々な困惑』(Endless/Nameless Records)がリリースされたのは2012年、世のパワーバイオレンス・リバイバルブームの恩恵をほぼ受けることなく我が道を追求し続け、Stubborn FatherやBroilerとのスプリット作をはさみ、10年の月日を経て遂に完成した2ndアルバム...その名も『様々な困惑』である。
1stも2ndも同一タイトルとはまさにディガー殺し。しかし、それは断じておふざけではない。1st『様々な困惑』は全体が白いジャケットだったが、2nd『様々な困惑』は正反対に真っ黒なジャケットとなっており、アルバムの冒頭を飾る「黒 / The World Painted Black」を通してテーマ性を持って紐づけられている。
この10年、世界がネガティブな意味でも大きく姿を変えたようにTrikoronaの音も大きく変化しているということなのだ。その意味はこの作品を聴き進める中で確かめて欲しい。90年代パワーバイオレンスが軸にあるとはいえ、よりカオティックで、エモバイオレンスやデスメタルにも変貌する混沌を深めた漆黒のアンダーグラウンド音楽が恐ろしくカッコいいが、その音には独特の解釈と思考の痕跡があり、他の何者にも似ていない。「これは一体何なんだ!」と言いたくなるメロディやサウンド、フックの多さ、ポップ性すら漂うこの全11曲... これらを言語化することは極めて難しく、やはり困惑する他ない。
ちなみにタイトルの英題『Various Embarassements』はスペルが間違っていて、Various Embarass「e」mentsの「e」は本来は不要。これは1stリリース時も同様に間違っているのだが、しかし正しさだけが価値を持つのではない。間違い続けること、それを許容することによって試行錯誤を繰り返した先にしかないものがある。
2022年 Hello From The Gutterより遂に放たれた孤高のサウンド、その名はTrikorona。様々な困惑。 

tracklist:
1.黒
2.意識の高い豚 Part2
3.ラクトースキナーゼ
4.悲哀の棺桶
5.払わなければ生き続けられない
6.最後の笊
7.見たことのない螺子
8.暗渠にて
9.冷たい珊瑚礁
10.イエスタデイ
11.砂漠の砂売り

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