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Interview with Jonas (This Gift Is A Curse) by Kreativ Mag

Interview with Jonas (This Gift Is A Curse) by Kreativ Mag
大阪のライブハウスHOKAGEが発行するKreativ Magにて掲載された、This Gift Is A Curseへのインタビューを3LAでWEB掲載許可を頂き公開します。本誌フリーペーパーでは紙面の都合上掲載できないエピソードも全文掲載、メタルではなくあくまで「ハードコアパンク」をやっている彼らの意識や制作核心部分に迫るインタビュー!


NEW NOISE Festival 2015 (Karlsruhe, DE) Photo by the almighty Deathless Pictures

Q: まず結成の経緯からこれまでに至るまでの活動を簡単でいいので教えて頂いてもいいですか?

A: 要約すると、2008年、俺とドラマーのJ-Rotがストックホルムのポストロックのライブで偶然出会ったときにこのバンドが始まったんだ。J-Rotはひどく酔っ払っていて、俺がちょうど出番を終えたバンドのギタリストだと勘違いしたんだよ。それで話し始めたら二人とも同じ仕事(郵便局)をしていることや 北の街からちょうどストックホルムに出てきたばかりってことが分かったんだ。二人ともバンドを探していたところで。他のメンバーでベースのLL-Axeと ギターのPat the Vomitcrawlerは最近知り合ったやつらだね。彼らはストックホルムで他にいくつものメタルバンドで何年もやっていた連中で、新しいことをやりたがっていたんだ。俺たちはなんというか情けないパンクロックをやろうとしていたんだけど、「サーカスミュージック兼ハードコアパンク」みたいなね。それからいくつかライブをやり、出来はひどかったんだけどスタジオを押さえて最初のEPをレコーディングしたんだ。スタジオに入る1週間前に曲のテンポを落としたら、音が突然しっくりハマりだしたんだ。ギタリストはいろんなダークなハードコアやブラックメタルを聞きはじめていたからだろうね。その後アルバム「I, Guilt Bearer」を沢山の小さなインディーズレーベルからリリースした。プロダクションはもっとローで直接的になったね。このアルバムはヨーロッパのアンダーグラウンドや音楽ブログで評判を呼んで、ブログを読んだSeason Of MistのオーナーのMichael Berberianが連絡を取ってきたんだ。その後数年ツアーを行い、「All Hail the Swinelord」を録音し、Season Of Mistに送ったのち契約を交わした。彼らはすべてにおいて協力的だね。今は次のアルバムになる予定の曲に取り掛かっているところだよ。Season Of Mistからリリースされることになっている。最近2人目のギタリストのDave the Devildriverが入って、サウンドをパワーアップしただけじゃなく作曲にも参加してくれているよ。それで今に至るというわけさ。

Q: THIS GIFT IS A CURSEというバンド名は凄く意味深いバンド名ですがどのような思いが込められていますか?

A: よく聞かれる質問だね。始めは何も意味なんかなくて、むしろうっとうしいというかちょっと恥ずかしいくらいだと思っていたんだよ。名前は人を不快にさせるためだけにつけたんだ。仮にも俺たちは「ハードコアパンク」をやっているわけで。いいものだと思っていたものが反対のものに取って替わることだと俺はこのバンド名について思っているんだ。俺らが歌詞に秘密の意味をつけ加えたら、それを読んだ他の人は別の解釈を加えはじめるんだよ。俺はこれがすごく好きだね。まるでそれ自身が生命を持っているようだからね。だれかのギフトであり呪いでもあるわけだ。君が欲しい何物にでもなり得るんだ。

Q: メンバーの皆さんはTHIS GIFT IS A CURSE意外に何か携わっているバンド等ありますか? あればどのようなバンドでどのような活動をされているか教えて下さい。

A: 最近入ったメンバーのDavid the Devildriverはインディーロックの奇人たちTRAKTORから俺らが引き抜いてきた。彼は今でもギターとボーカルをやっているよ。LL-Axe(ベース)はBENRANGELでボーカルをやっているよ。JIRMやスクリーモレジェンドのSUIS LA LUNEのメンバーとやっているストーナーロックバンドなんだ。あと、ドラマーはスリーピングポップ/シューゲイザーバンドHALEIWAでセッションド ラマーをやっている。俺もいくつかプロジェクトをやっているけど、陽の目を見るかどうかは疑わしいね。



Q: 2015年にリリースされたHEXISとのスプリット作品、 2ndアルバム「All Hail the Swinelord」のリリースでここ日本でもあなた達の存在を知る人が多かったのですが、この一連の作品群であなた達を取り巻く環境は何か変わりましたか?

A: HEXIS とのスプリットはすごく好きだね、素敵なパッケージとアートワークで。HEXISとは長年の付き合いで親友なんだ。昔のメンバーも新しいメンバーもね。あの7インチのスプリットをリリースすることは、大きなインパクトがあったと思う。世界中に広まったからね。いくつものレーベルが一生懸命やってくれたおかげなんだけど。彼らの役割にすごく感謝している。「All Hail the Swinelord」は俺らの最初の「メジャーレーベル」からのリリースで、Season Of Mistはすごい流通のほかにも様々な宣伝用のネットワークを持っている。そんな伝説的なレーベルと一緒にやることが出来て俺たちはすごくハッピーだね。

Q: あなた達の音楽性はブラックメタル的なカタルシスを基盤としながらも、HARDCORE的な力強さであったり SLUDGE的なズルズルと引きずられるような要素があったりと 非常に独創的なサウンドです。自らの音楽性や表現などを客観的にみてどう思いますか?

A: サウンドは俺たちの好きなものを沢山混ぜてあると思うんだ。とてもピュアな音楽一本槍、というわけでは全然なくて。俺たちそれぞれ違う音楽のバックグラウンドから来ているからね。共通しているのはダークでヘヴィーな音楽が好きなことくらいで。あとブラックメタルがいくつか好きなことかな。俺にとって音楽とライブって儀式のようなものであり、セラピーのようなものなんだ。毎晩30分~45分苦しむんだ。一日の残りの時間を「普通に」過ごせるようになるために。他のメンバーにとっては違うんだ。うちのドラマーを例にすると、彼にとってはドラムと音楽への愛がすべてで、あとは音楽は遊んだり旅行するための素晴らしい手段だってことだね。俺もそこは一緒だけど。

Q: 歌詞は主にどのような内容の事を書かれているのでしょうか?

A: リリース毎に内容は変わるね。CDEPは、俺がいろんな意味で「裏切られた」と感じた故郷や昔の友人たちについてがほとんどだね。ストックホルムへ引っ越したあと、故郷からの別れにインスパイアされた作品なんだ。当時は俺のなかで沢山の感情的な重荷や悪い感情が残っていたんじゃないかな、もう今は克服したけれど。大学に進学した頃、学業を通じて沢山の心理学や社会学の理論に触れた。高等教育を学び始めるころはみんなやるように、俺も全部丸呑みにするように吸収した。だけど、ある時点で本を読み終えても理論が「もっと向こうへ」動き始めたんだ。それでオカルティズムや秘密主義のようなもっと変わった文学へ飛び込むようになったんだよ。事実やロジックを超えたものにね。嘘は時として真実以上に真実を語るって気づいて、俺の考えや歌詞が前に進みだしたんだ。「I, Guilt Bearer」の歌詞は人間の理性/ 理知と自然の冷たい摂理の衝突について、言い換えれば人間の文化と人間の住む自然界の衝突について書いているんだ。リリースのあと、鬱に悩まされて生活が荒れ果てたこともあった。「All Hail the Swinelord」の歌詞を書き始めた頃は、完全にボロボロだったね。何もやれずにただただ秘密主義の理論や死者について浸っていただけだったね。ちょっと努力してみたら、自分の「悪魔を解き放つ」ことが出来る程度に自分のなかで境界線を設けられるようになった。それで俺の肉体を超越した案内者であり器となる「the Swinelord」(卑劣な者たちの神) という存在を作り出したんだ。すごく分かりにくくて異様に聞こえるのは分かっているんだけど、俺にはすごく腑に落ちるものなんだ。きっと子供の頃いじめられていたエモキッズだった頃の名残じゃないかな。現実が辛くなると、想像の世界を作って逃げ込んでいたものだったよ。今でもトラウマや人生に対処するために同じことをしている自分が一部でいるし。誰もがやる精神的な活動じゃないかな。いろんな審美的なシンボルを感情にまとうってさ。これをバンドのデザインやアートワークとして俺は落とし込んでいるわけなんだけど、いずれも自分の内面から漏れ出てきたものなんだね。

Q: 皆さんが影響を受けたバンドやアーティスト等を教えて頂けますか?

A: 俺たち全員が好きなバンドやインスピレーションとしているバンドはBREACH、TERRA TENEBROSA、CULT OF LUNA、DARK FUNERAL、CURSED、LIFELOVER、GENESISだね。


Q: あなた達の街ストックホルムのシーンはどのような状況ですか?ローカルシーンの事やお薦めのバンドなどいれば教えて下さい。

A: いい面も悪い面もあると思うね。沢山の才能あるバンドがいるけど、「シーン」そのものは大きく分断されているね。これは馬鹿げていると思うんだよ、スウェーデンはそんなに大きい国じゃないし、ヘヴィーミュージックとしてはさらに小さな規模になる。俺は小さな街の出身で、そこでは何かあればすべての「オルタナティブ」バンドが一緒にならなきゃいけなかった。ショウを主催したり、無名な若いバンドが演奏する機会を設けるためにね。ストックホルムはすべてあると言えるし、同時に何にもないとも言えるね。
このインタビューの始めに話したTGIACのメンバーを含むバンドをチェックしてみて。それで、他の地元のバンド?TGIAC全体について言うことはできないけど、今はNEJが好きだね。メタルヘッドがサイケデリックポストパンクを演奏しようとしているようなサウンドのトリオなんだ。2人ベースプレイヤーがいて、ギターがいないんだ。この体制がまたライブを一層ダークにするんだよ。あと、ボーカルがとにかく素晴らしいね。STIU NU STIUはまた別のかっこいいバンドで、ドゥーミーなノイズロックをやっている。以前ほど俺はハードコアパンクを聴かなくなったけど、グラインドの天才たちGOD MOTHERは例外だね。特にライブは。それにNO OMEGAはいつもハードコアの旗を高々と挙げているね。たくさんメンバーチェンジがあったけれど、それでも活動を続けている。大事なことを言い逃したけど、俺の友達で悪魔の王様TERRA TENEBROSAは言っておかなきゃいけないね。彼は何か所の街にも住んでいるんだけど、ときどきストックホルムにも住んでいるんだ。TTは別次元のブラック/デスメタルミュージックを作り出していて、Luleåという街出身のBREACHともつながりがあるんだ。BREACHは俺がダークミュージックに入れ込むきっかけとなったサウンドだね。加えてKITE(シンセ/エレクトロニカ)、PROMISE AND THE MONSTER(スカンジナビアンゴス/シンガーソングライター)、HAVENAIRE(アンビエント)とHEMGRAVEN(ポストパンク)がいいね。

Q: 現在バンドは新しい作品を制作するプランはありますか? 次作はどのような作品になりそうですか?

A: 話したとおり新曲を作っているよ。まだどんなものになるのかは話せないね。ただ、 俺たちがソーシャルメディアに書いていることをよく見てもらえればいくつかヒントが分かるんじゃないかな。

Q: 今回は初めての日本ツアーをするにあたってツアーメイトのSeekとスプリット作品をリリースされますが、Seekを初めて聴いた時の印象を教えて下さい。

A: すごく感激しているよ。ちょうど今Seekの昨年末のライブビデオを観たばかりで、とにかく素晴らしい。本当にダークで本当に怒り狂っていて。彼らを間近に見られるのを楽しみにしている。インターネットを通じて連絡を取った感じだと彼らはとてもいい人たちみたいだしね、ツアースプリットを出す3LAの人たちもそうだし。



Q: 日本ツアーをするのあたって何か楽しみにしている事はありますか?また日本で好きなバンドなどいれば教えて下さい。

A: 日本に行くのは長年の夢なんだ。日本をただただ経験することがね。バンド全員同じように感じているよ。それで今や日本の仲間のミュージシャン/アーティストと音楽を演奏し、遊ぶことができるんだ。これほど素晴らしいことはないし、俺たち本当に幸運だなと思う。若い頃からいつも日本のバンドには感激させられてきたんだ、ENVYやBORIS、MONOのようなバンドにね。今日まで俺が聴いている音楽に大きな影響を及ぼしているんだよ。

Q: 最後に日本のファンに何か一言メッセージをお願いします。

A: 日本へ行くのはバンドをやる中でもすごく叶えたい夢の一つだったし、このバンドを始めたときだって目標にしていたぐらいだからね。今やこのビジョンが現実になるわけで。間違いなくスペシャルなものになるだろうし、俺たちオリジナルのカオスを今まで会ったことのないオーディエンスに向かって解き放つのを本当に楽しみにしているよ。最近書いた曲だけじゃなくて古い曲も混ぜたベストな選曲をやるよ。ヤニ、血糊、完全な音の暗闇に備えといて。All hail the Swinelord!(皆よ卑劣神にひれ伏せ!)

THIS GIFT IS A CURSE + SeeK split >>>> 3LA特設サイト
http://longlegslongarms.jp/3la_releases/15/thisgiftisacurs_seek.html
4月よりジャパンツアーを行うThis Gift Is A Curseと大阪のSeeKのスプリットを3LAより4月28日にリリースします!特設サイトでは限定Tシャツ予約を受け付けしています。

ツアー詳細、予約についてはSeeKのWEBにて受付中。
http://seek49.com/

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