明日の叙景(Asunojokei) - "アイランド " (CD)
¥2,750
税込
Deafheavenが殺したと思っていたポストブラックは明日の叙景が握っていたことを証明する2022年アルバム、めちゃくちゃ良い
2022年の明日の叙景アルバムは滅茶苦茶良い。時代を象徴し、かといって全てを受け入れることもしない。自身のアイデンティティと向き合い、創造されたこの『アイランド』には多くの意味が込められている。ポストブラックメタル、というジャンル名が説明に必要かどうか迷うけれど、敢えてやはり「ポストブラックメタル」であると言い切る。ここ日本でしか産まれ得ない表現に到達したのだと思います。
前作EPあたりからよりポップな方面へ舵を切りつつあったので次のアルバムもその方向性になるのだろうとは思ってはいたが、完成されたアルバムを、1周、2周、と聴いていくうちにこれはかなり凄いことになってきていると感じた。2010年代後半、Deafheaven等が牽引したポストブラックは彼ら自身が『Infinite Granite』(2021年)で殺したのかなと思っていたけどそれは間違いだった。むしろ多くのフォロワーが自己増殖的にコピーを繰り返していく中で名盤『Sunbather』のインパクトが徐々失われていく昨今、明日の叙景のタイトル『アイランド』はその『Sunbather』と同質の光を連想させる作品であると同時に、アイランド=島国日本からの音楽であるというアイデンティティを明確にし(カタカナだしね)、そしてこのコロナ禍における人々の孤独を島に見立て、この音が届く先を想像する。失われた過去の心象、未来を想像するのは優しさ。はっぴいえんどの『風街ろまん』のブラックメタル版。後期Laputa的なビジュアル系+アニソン的な現代日本人のバックグラウンドともいえる要素と前作から踏襲するメランコリックなブラックメタルの融合... このサマー感。
デジタルは既にリリース済み、CDをコレクションに加えたい方へ是非。
Tracklist
1.臨界
2.キメラ
3.見つめていたい
4.土踏まず
5.歌姫とそこにあれ
6.美しい名前
7.忘却過ぎし
8.甘き渦の微笑
9.子守唄は潮騒
10.ビオトープの底から
11.遠雷と君