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グラインドコア・バンドとして2012年に結成されたBROILERだが、作品を出す度によりマニアックな方向へと突き進んだ。
ブラストビートとDビートを基本としながらもより正統派なヘヴィ・メタルに接近を試みるも、マニアックなメンバーが方向性をひっぱり、元祖南米スラッシュ・メタルのSARCOFAGOやベスチャル・メタルのBLASPHEMYの影響を強く受けたものとなった。

とのことで、遂にBroilerの1stアルバムがリリース。
2010年代も終わりに差し掛かっている今、彼らは時代に取り残されるどころか完全に逆行し、トリコロナとのスプリットよりも更に80年代に突き進んでいったようだ。それもバブリーで華やかなサウンドの方向ではなく、誰もいない方向、つまり地下、アンダーグラウンドな方向性だ。正統派ヘヴィメタル的なギターリフが流れてこようとも勢い任せのブラストビートとリバーブの残響音が目一杯かかった地獄の咆哮によってすべてを掻き消していく。ハイクオリティな低音質、しかしながら楽曲の完成度は素晴らしく、ポップ性すらあるのではないかと錯覚する。
アルバムタイトル含め全楽曲も邦題付きで英語歌詞には日本語歌詞も掲載。サンクスリストも大量に掲載されたブックレット、インナー部分も充実の情報量が詰まっているのも楽しい。日本で産み落とされた「ベスチャル・パンク・メタル」は世界の目にとまることはあるのだろうか。
マニアックな格好よさをそのままに、普遍的なところにオチをつけようとする挑戦的な作品であると感じる。

Tracklist
1. INTRO 〜CUBEからの脱出〜
2. FINAL BLACKEND 最後の漆黒
3. CRUEL THORNS 残酷なとげ
4. ABYSS OF CONSPIRACY 陰謀の深淵
5. WITCHFAGO, GOATGRAVE 魔女の石棺、山羊の墓
6. MARGINAL CONVENTION 辺境の因習
7. FILTHY NIGHTMARE 汚れた悪夢
8. SPREAD DISEASE 蔓延病
9. HERBERT WEST PLAY ハーバード・ウエストごっこ
10. SLAUGHTER GODS 神殺し
11. CANCER OF HELL 地獄の癌
12. BROILER MASSACRE ブロイラー大虐殺