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イギリスから登場した激情ハードコア、Svalbardの2015年作。
デビュー当初はもっとメロディーのあるエモパンクという感じの音楽性だったが、いつのまにか大きく変貌を遂げており今や激情ハードコア、エモバイオレンス要素も強くネオクラストやシューゲイズ系ブラックメタルとも共鳴しそうな大物バンドへと進化した。国外へのツアーも繰り返しておりヨーロッパやアメリカでも彼らの音楽の評価は非常に高い。実際、一聴して他のバンドとの違いを感じるし、自然と耳に残るメロディも印象的。そのまえにリリースされたディスコグラフィと比べてもアルバム全体のクオリティが大きく向上しているのがわかる。
海外のバンドは日本と比べても年齢層も低く、日本のように仕事を続けながら長くハードコアをやるという人間の割合は多くはない。だからこそ音楽が若者の文化として受け継がれている一方で、短期間で解散するため深みを持った進化を見せていけるバンドが少ないのも事実。Svalbardも当初は数多くいた激情系の1バンドでしかなかったと思うが、Screamoという音楽のサブジャンルの次の可能性をメロディッククラストやポストメタル、シューゲイズ系ブラックとクロスオーバーすることに見出していたのかもしれない。2011年結成だが、2014年にはNeurosisやAmenraともフェスで共演しているし、こういったタイプの「新しい激情(つまりクロスオーバー)」が大きく受け入れられているという時代の後押しも受けて世界各地で株が爆上中であり、その評価に呼応するようにバンドも表現に深みが滲んでくる。この作品では若さや勢いだけではなく、哀愁という名の"エモ"が抽出されているのだ。それは甘くもあり、時に苦い。それでいて疾走パートは青春感たっぷりだったりするので最高。

tracklist:
1. Perspective 05:06
2. Disparity 04:30
3. The Vanishing Point 04:01
4. Expect Equal Respect 04:03
5. Unrequited 04:28
6. The Damage Done 04:02
7. Unnatural Light 04:17
8. Lily 03:21