関連タグ: フランス 2010年代 欧州激情 名盤 Daitro Skramz

Sed Non Satiataの2013年作。こちらも遂に再プレス。見開き仕様のジャケットも素晴らしい。
前作のセルフタイトル音源が2011年なので結構良いペースでリリースされた本作ですが、前作の雰囲気とは変わってアグレッシブなサウンドとなっています。スローパート多めの暗く悲哀たっぷりな叙情展開は相変わらずですが、一曲目から攻めな楽曲があるのは必然的にブチ上がらざるを得ない。極端なアトモスフェリックなポストロック/エモ路線に走らなくて本当に良かったが、かと言って過去作のような路線に戻っているという感じでもない。あくまで前作の延長線上に居ながらサウンドをより前のめりに、光と闇、動と静のコントラストをより躍動的に進化させてきたという感じだ。
前半の切り込み方も良いし、後半のラストへ向けて上り詰めていくサウンドがやばい。フランス激情シーンの最前線をDaitroと共に切り開いて来たベテラン故の説得力は本物だ。
同じタイミングでのリリースとなった"Le Ciel De Notre Enfance b/w Daitro split LP"と聴き比べてみるとその差は歴然だが、彼らの進む方向は00年代の欧州激情なサウンドとはどんどんかけ離れていく。攻撃的で展開の速い楽曲を演奏する初期Suis La LuneやLa Quiete,Raeinといったサウンドを求める若いリスナーからは敬遠されそうな楽曲かもしれないが、Daitroが活動を停止した今現在、シーンを牽引するバンドのひとつとして新しい可能性を提示し続ける彼らの姿勢は素晴らしいものだと思う。

Tracklist
A1 Extrospection 4:33
A2 Sehnsucht 4:37
A3 San Andrea 5:44
A4 Ghost 4:20
B1 Εντροπία 4:45
B2 Nemesis 3:43
B3 Vague À L'âme 3:38
B4 Soma 8:14