THE BLUE HEARTSの真島昌利が1989年にリリースしたソロ作品『夏のぬけがら』は日本語ロックの名盤だと思っているんだけど、最高の夏のサウンドトラックなのかどうか考えてみると夏のサウンドトラックではない気がする。あのアルバムは過ぎ去っていった夏を歌っていると感じる。その『夏のぬけがら』のUS版がこのMariettaの『Summer Death』と言ってもEMOリスナー達に伝わるかどうかはわからない。消えていく全てを歌にしていくこのアルバム、Midwest Emoの良さを追求した彼らの楽曲にはそれほどまで革新性があるわけではない。マスロック的緻密さで構成されながら、感情たっぷりに合唱し、そのメロディーには哀愁がある。革新性がなくても突き詰めたサウンドと歌詞によって極めて純度の高いEMOとして今後も残っていく作品。2013年にリリースされ、その後廃盤になってしまっていた彼らの名作をDog Knightsが2020年にリイシュー。8曲35分の小旅行。秋に聞いた方が染みるかも。
tracklist:
1. ...so they left me at a gas station 04:23
2. cinco de mayo shit show 04:31
3. you've got the map backwards, matt 03:20
4. deck wine 04:20
5. god bless eric taylor 04:48
6. ever is a long time (ever is no time at all) 04:41
7. chase, i hardly know ya 03:40
8. fuck, dantooine is big 05:57