日本のKomusoとスウェーデンのSetsukoによる2020年スプリット。スプリットって何のためにやるの?という疑問に答えられるのは本人たちだけだ。内輪であるが故に成立するものもある。けど遠い国の2バンドが、なぜか共通するジャパン感を持ってアウトプットしているのが良い。そんな作品。
Komusoはこれまでカセット音源や7inch(名盤!)を発表していて、3LAでは何度も売り切れているのでもう知っている人も多いと思う。けど本作に収録された3曲はこれまでの作品ともまた違う寂寥感がある、というかタイトルが既にやばい。これまでの日本に根付いていた激情と海外のScreamo/Skramz文脈に軸足を置きながらも彼らにしか出ない味が染み出しているのだ。モラトリアムの味、これがなければビジネスを排除した純真な音楽は成立しない。激情スタイルな「27 years old」も良いけど「Kong yiji」はかなり良い曲だ。ライブ活動していないのがもったいない。
一方のSetsukoはDog KnightsからLPもリリースしているバンド、久しぶりの新曲なんだけどメランコリックな音使いとグラインドコアが激しく融合したサウンドスタイルはかなりジャパン感がある。彼らは激情的な文脈にはいるけれど、楽曲の組み立て方はプログレッシブで"EMO"とは違うメタル感がずっとあった。以前のアルバムでは見られなかったようなマイナースケールを強調した音使いのためか、サウンドは似ているようでかなり異なる印象。でも僕はこっちのほうが好き。破壊的な衝動がしっかり録音されている。カセットテープリリースで、本数は100本程度しかない模様。このシーンの流通は小さい。好きな人たちがその内輪の中で流通させている感じ。今の激情。
tracklist:
1. KOMUSŌ - 27 years old 01:32
2. KOMUSŌ - The black river of Matsudo 01:32
3. KOMUSŌ - Kong yiji 02:39
4. SETSUKO - Ghost Money 01:58
5. SETSUKO - Fallacy of a distorted voice 02:50
6. SETSUKO - Cloaking Device 03:39