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Guede、それはハイチ:ヴードゥー教における死神

死とセックスのロアとされており、古ぼけて擦り切れ、破れた黒い山高帽と燕尾服を着た男の姿をしており、死者がギネー(ギニア=神々の住処)に向かう途中にある「永遠の交差点」に立っているという。生きてきた全ての人間を知っている為、彼は非常に賢明である。その一方でひどく下品な態度や言葉遣いをし、非常に陽気で葉巻と酒が大好物である。人間に憑依してその口を借り、好きな事を喋らせる事ができる。
(wikipediaより)

ハイチは、カリブ海の文化とアフリカの文化、そして旧宗主国であるフランスの文化が混じりあい、独自の発展を遂げた国らしく、ブードゥー教の「死者の日」に「ゲデ」と呼ばれる死と性の精霊たち、そしてその長である「バロン・サムディ」を讃える儀式が存在するという。しかしその儀式は厳粛なものではなく、何時間もドラムの音が鳴り響き、飲めや歌えやの楽しいイベントのようで、日本でいうところの死者の霊と交流する盆踊りみたいなものかもしれない。雑な理解だが。そしてこの東京のGuede(ゲデ)というバンドも、本作EPがフランス語での「感応精神病」を意味するタイトルであることからも、この宗教儀式からバンド名が命名されているであろうことを推測される。だがしかし、収録されている音については上記に記述したような陽気さとは対極とも言える、グラインドコア、パワーバイオレンスな無慈悲なサウンド。収録の全3曲はあっという間に過ぎ去ってしまう。だが今の時代を反映するかのような、人間の「個」と「社会」に関するテーマは見え隠れする。複数人で同じ妄想を共有すること、社会はそれによって成り立っていると言えるし、それによって狂ってもいる。彼らの音にはその狂気がある。

tracklist:
1. Chain Reaction 02:11
2. Judgement 01:56
3. 人間 03:44