2022年にリリースされた"くだらない1日"の2ndアルバム。エモとは現代のギターロックであるという見方がもっぱら有力となっている昨今であるが、"くだらない1日"の本作はその説を強力に裏付けるマイルストーンになる。我々は今、良くも悪くもジャパニーズエモの定義が塗り替えられていく瞬間に居合わせている。時代は変わる。
過去いくつかのEPやスプリット毎に作風の方向性に揺れはあるが、コロナ下における様々な制約が課せられた2020年代をサバイブしてきた経験値からアウトプットされるサウンドは突き抜けるためのストレートでシンプルなもの、その強度を持ったものへと変化していったのかもしれない。過去作と比較しても歌唱やサウンド面も、最もわかりやすい作品となり、エモ文脈関係なく普遍的ギターロックとして広く受け入れられる可能性がある。派手な楽曲はこれまで通り前のめりだが、iida Reoをfeatした「やすらか」、そしてラストトラックとなる「こわれはじめてゆく今」といった楽曲にこれまでと異なる可能性を見出すことも出来るだろう。全然激情じゃない「激情部」など相変わらずのセンス。
tracklist:
1. やるせない / Yarusenai 02:35
2. レッドアイズオルタナティブブラックドラゴン / Red Eyes Alternative Black Dragon 01:50
3. 原宿5階秘密基地 / Harajuku 5th Floor Secret Base 02:41
4. 力水 / Mineral Power 02:17
5. アメフト部 / American Football Club 03:42
6. すてないで / Sutenaide 02:29
7. やすらか feat iida Reo / Yasuraka 02:44
8. 帰宅部 / Go Home Club 03:03
9. 激情部 / Hardcore Emotion Club 05:24
10. 状態c / Condition C 03:39
11. こわれはじめてゆく今 / Now Start To Break 04:52