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以前カセットテープでのEPを取り扱いしていた東京の5人組サイケデリックロックバンドYOKUJITSUが自主レーベルとなるSnake Dog Recordingsより1stアルバム『KALT』を2023年11月1日にリリース。3LAでも入荷しています。
以前入荷していたシングルのEPではまだバンドの全貌は見えていなかったが、アルバムサイズで聴くことによってようやくその輪郭が見えてきた。浮遊感のあるサイケデリックなサウンドやストーナー/ドゥームからの文脈も感じるというのは確かにそうなんだけれど、思った以上にそういった前時代のクラシックロックにあるいかがわしさや、楽曲の演奏から生まれるダイナミックな"うねり"というものは無い。むしろ逆で現代のポストパンク、インディロックに通じるようなシンプルさとシャープさで洗練され貫かれた全8曲となっている。演奏もそうだけどアルバムサイズもミニマルな気がする。ハードじゃない。内面に潜伏する何か。
でもEPとかで聴くよりもこういった音楽はアルバムで長く聴くほうが圧倒的に良い。安島夕貴(大山田大山脈)feat曲もありMVになっている。

[レーベルインフォ]
The Black Angels,Brian Jonestown Massacre,Dead Meadowの影響を公言している通り、ディレイ、リバーブ、トレモロ、ファズなど浮遊感のあるサイケデリックサウンドでありながらも、その視線は69年のWoodstockではなくLevitationやDesrt Dazeなど、現行のサイケデリックフェスに向いていることがわかる。
Tシャツにデニム、スニーカーという普段着で演奏されるそのスタイルは90s以降の現行性を持っているが、サウンドの根底にはThe Velvet Underground,Pink Floyd等60sロックからの影響が確かに感じられ、かつそこから始まるクラウトロック、ストーナーロックというサイケデリックロックサウンドの系譜を網羅的に踏襲している。
繰り返されるシンプルなリフに重なるギター、オルガン、タンバリン、気だるいボーカル、気がつくと全てがトリップし同一化していく。忙しい日中は白昼夢となり、眠れぬ夜は安定剤となる。YOKUJITSUの1stアルバム『KALT』はサイケデリックロックの現在地を示す座標点となるアルバムだ。

tracklist:
1. Exploit 04:10
2. Forgot 04:40
3. Just Vibes 05:25
4. Books...? feat.安島夕貴 03:46
5. Days 09:34
6. Fault 05:31