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いくつもの氷が溶けて、水滴が滴る。水滴が落ちた先には、ひとつの水たまりができる。曲ひとつひとつが氷なのだとしたら、最後にはひとつになる。本作は、まるでコンセプトアルバムのようでもある。

ブルックリンの4人組バンドCrumbの2021年リリース、10曲入り2ndアルバム。ピンクや黄色を使用してたジャケからは一転、今作は暗く憂いを帯びた黒を基調とした無骨なジャケットだ。

このアルバムにはプログレッシヴ感だったり、ジャズ・ロック感があふれていたこれまでの作品とは、違った洗練された良さがある。　ジャズ、サイケ、ヒップホップ、ノイズ...と味自体はかなり濃く一度に食べたらお腹いっぱいになってしまいそうなのだが意外と何度もいける味。それでいて、しつこさもなく、どこかあっさりしている。

ぽろぽろとこぼれ落ちるエレキピアノの音色は、まるで雫が滴り落ちる様を描いているようにも感じる。

FoxygenのJonathanがプロデューサーとして参加していて、その影響がダイレクトに表れているところを聴くと、彼らの未知数な伸びしろに希望を感じる。

Tracklist:
1.Up & Down
2.BNR
3.Seeds
4.L.A.
5.Gone
6.Retrat!
7.Trophy
8.Balloon
9.Tunnel (all that you had)
10. Ice Melt