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Paleのアルバムが遂に完成した。EPやスプリットの時のメンバーはもうGtのワタナベ以外全員変わっているので別バンドのような印象すらあるが、リリースインフォにも書いてある様にノイズパートがより前面に出ているのは確かに第一印象としてはある、そしてそれがブラックメタルリスナー的には賛否がありそうなところ。個人的にはポストブラックの爆走パートよりもMETALLICAの『Orion』を感じさせるようなパートがあること、そしてそのMETALLICAが参照しているNWOBHMのテイストという文脈から一本の線を感じられる作品にもなっていて、個別で独立していたPaleの音がようやくヘヴィメタルの歴史と接続する文脈を手に入れたようにも感じるし、一番このアルバムで素晴らしい点だと思う。かつてポストブラックとして同列で並んでいた明日の叙景のジャパン感とは別の軸でPaleは確立したということを明確に感じさせる内容になっていると感じる。もちろん「ポスト」な試みをしている以上、それは全ブラックメタルリスナーに刺さるものではないかもしれない。だが、それでいい。

[1/10リリース・予約商品]
東京のポストブラックメタル/ブラックゲイズ・バンドPaleの2025年発表1stアルバム。4年の沈黙を経て2023年に新たなラインナップで再始動。「EP」以来7年ぶりの単独作となる本作では、ノイズパートの本格化に加え、ポストハードコアやプログレ、NWOBHMなどの影響を感じさせる逸脱したアプローチを行い、ポストブラックメタルの可能性を追求。脳内を掻き乱す強烈なノイズや様々な情景を描くメロウな展開を大胆に取り入れたことで、彼らのコアとなる美しくも刺激的な表現はより大きなうねりを伴って、かつてない高揚感を生み出していく。近年ユニークな進化を遂げつつある日本のポストブラックメタル/ブラックゲイズ界隈に、新たな追い風をもたらす待望のフルアルバム。

Tracklist:
1. Euphoria
2. Coral
3. The Amulet of Freesia
4. Almost Transparent Blue
5. Dakhme
6. Lamento
7. Shringavera