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ギリシャのネオクラストといえばsarabante!活動は止まっているものと思われていたがいつのまにかSouthernLordと契約し、活動10周年となる2016年に遂に2ndアルバムをリリースした!
ギリシャといえば最近だとジャパニーズハードコアからの影響を受けたDirty Wombsが記憶に新しいが、このsaranbante周辺は彼らよりも1回り上の世代ということになる。結成自体は2006年だが90年代後半から地元シーンで活動している者も多くAntimobやCUT OFF、Χωρίς Οίκτοなどが活動する地元シーンの中でも世界に向けてある程度の存在感を発揮している数少ないバンドだ。そんな彼らがSouthernLordと契約を果たし世界進出しているっていうのは地元のクルーたちはさぞかし誇らしいだろうと想像する。
前作が2011年なので、5年ぶりのアルバムとなる本作では前作を遥かに凌駕するサウンドでベテランならではの進化を見せつけている。前作同様にメロディックに疾走するというスタイルは変わらないがポップさはかなり減退しており全体の雰囲気は荘厳に、重苦しいネガティブな空気が充満する。地元シーンのゆっくりとした歩みの中でバンドは彼ら自身の表現を獲得する。メロディックだが、若さではなく渋さを醸し出す絶妙のバランス。攻撃的だけれども初期衝動だけでは表現できなかったサウンドの深さも合わせ持つ。サイクルの早いUSや西欧の若いバンドとの違いはまさにこの1点に尽きるし、そういう意味ではギリシャも日本とも近いところがある。サウンドのプロダクションも整然としたものではなく汚らしさも保ちつつ、新しい領域へと進む。ネオクラストギリシャ代表として申し分ない作品が誕生した。10年目のD-BEATを堪能せよ。

tracklist:
1 All That Remained
2 A Day With No Sun To Rise
3 In Deceit Times
4 Eternal Complacency
5 Mass Grave
6 Ruination
7 Ισόβιος Φόβος

8 Forewarned Epilogue

9 Mneme's Amavrosis
10 Black Thorns
11 Αιώνια Πληγή
12 Παγιδευμένος