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「日々のFacebookのステータスよりもずっと深い物をみんなが内側に持ってるんだ」 / Interview with Gerda (by 3LA)



イタリアのポストハードコアGerdaの2018年作はバンドのこれまで作った作品のイメージを破壊し、さらに先へと進んでしまった内容。以前よりずっとインターネット嫌いのポストハードコアと紹介してきたこのGerdaというバンドは謎が多かったが、イタリアという音楽シーンのメインストリームではない場所で、USの流行に流されることなく自分たちの音を作り上げているバンドだ。誰がなんと言おうと気になるではないか、ということで行ったインタビューです。killieのヨーロッパツアーのイタリアで共演もしており、killie共演後のタイミングで返答がきたこのインタビューには色々と考えさせられる点も多かった。

Q: 自分はGerdaを2000年代から知っています。その当時イタリアには多くのバンドがいました。RAEIN、LA QUIETE、その他にもたくさんのバンドやレーベルが素晴らしい作品を出しました。しかし今は多くのバンドが解散しました。GERDAは既に15年?20年?続いていますよね?その間、メンバーチェンジなどはあったのでしょうか?現在のイタリアのシーンはいかがですか?

Gerda: うぉ、君はかなり初期リスナーですね。俺たちは今年で21年目になるよ。そしてこの4人のメンバーはずっと不動だよ!最初の5年間は実は別のバンド名で活動していたし、何も公式なリリースはなかったから、Gerdaという名前にしてからデモCDを作ってから本当に活動が始まった感じ。Shove、Wallace、Donnabavosaの共同リリースで作った1stアルバムが2004年だね。


2000年代のイタリアで当時起こっていたのは、パンクハードコアのルネッサンスだったんだよね。80年代では当たり前だったんだけど、みんなが自分で自分たちのショウを企画して、宣伝して、自分たちでリリースしていくっていう、それは90年代にはみんなやらなくなってしまったんだけど、2000年代はそういった動きが復活した。それが「DIYでやっていく」っていう動きが大きな波になっていった時期だったんだ。たくさんのバンドがヨーロッパをツアーして、自分たちでレコードを出し、また自分たちのレコードを出すためや仲間のバンドをリリースするためにレーベルを始めたんだ。俺たちがそのDIYの波に関われたのは、メンバーの2人、RobertoとAlessioがボローニャに住んでいて、その当時活発だったパンクシーンとその周辺バンドがたくさんいたから。Laghetto、Laquiete、WithLoveといったバンドが、Atlantideと呼ばれたスクワット(不法占拠した建物でアーティストが住んだり活動したりしている)にいて、ノイズハードコアとエモバイオレンスがそこではよく演奏していた。一方でクラストもメタルコアもグラインドもめちゃくちゃいたけどね。そして最もメインのバンドはローマのConcreteだったね!で、俺たちは音楽のスタイルやサウンドだけじゃなくて、それ以上のアティテュードとかDIYのやり方っていうのにすごく影響を受けていったんだ。当時はそういうやり方だったし、そこで得たものは様々な場面で俺たちを助けてくれた。


最近のイタリアのシーンについて何か言及するのは難しいね。いろいろなことが起こっているから。俺が思うにシーンはまだ活発だということは出来るんだけど、影響力のあるバンドは多くは出現していないのを心配しているね。オーソドックスなハードコア、メロコア、80年代リバイバル、多くはないけど2000年代に我々が自分たちのスタイルを確立させようとしてきた当時のようなバンドもいる。たくさんのバンド、たくさんのショウ、国境をまたいだフェスも多く開催されているけれど、同時にとても退屈なんだよ。なぜなんだろう、もしその理由を見つけないといけないのだとしたら、それは一般的な社会において、人々がどれだけお互いに関係性を持てるかだったり、それを芸術だったり、人生に情熱をかけているかみたいなところだと思う。今は人々がどんなモデル、ライフスタイルだったりを選択できるかってことばかりを心配し過ぎてる。自分の内から湧き上がる声に耳を傾けることなくね。日々のFacebookのステータスよりもずっと深い物をみんなが内側に持ってるんだってことを言いたいんだよ。



Q: ありがとうございます。同じようなことを感じている人は日本にもいます。彼らもまた、インターネットの声だけを聞くんじゃなくて、もっと生々しいものを求めていると思っていて、そこがGerdaに共鳴するところなのかも。日本では3LAは『Your Sister』やMOEとのスプリットをディストロで扱ってきたんですが、GerdaのサウンドはほとんどのUSバンドとは違って、とても独創性を感じました。

Gerda: それは正しいと思うね、俺たちのサウンドはほとんどのバンドとは全然違う。俺たちは自分たちのサウンドを築き上げようとしてきた。流行の真似やフォローするようなこともしなかったし、でもそれはとんでもなく回り道の連続のプロセスをしなくちゃならなかった。俺らのサウンドが中途半端だと言われることもあるし、四人のバラバラのアイデアの集合体に過ぎないとかね。四人の考えが違うから、ぶつかったり、お互い駄目にしてしまったりするんだけど、思うにGerdaの音はこの四人の音楽的個性の衝突によって出来上がっているんだよ。創作活動の過程において、音楽のスタイルやジャンルの問題についてのとても小さな気づきがあって、それがとてもプリミティブでオーガニックなものへ進化していく...いや、計画を持たないという計画とも言えたかもしれないな。


Q: 日本のマニアックスなリスナーはGerdaの音楽性を楽しんでますよ。2018年の新作もめちゃヤバい。ポストハードコアやノイズロックな要素は2014年の『Your Sister』にも感じ取れるんですが、このアルバムはもっと別のフィーリングがありますよね。なんていうか、よりダークで、より深みを持ったというか。ビートやギターリフも破滅的だったりあとモスフェリックだったり...もはや、ポストハードコアやノイズロックというには言い足りない進化を感じました。かなり傑作です。この音の秘密を教えてください。

Gerda: ありがとう!自分たちの音楽を省みてみると、俺たち全員、それぞれのアルバムを通して、この四人でいつも何かを先に進めようとしてやってきたんだと思う。毎回のステップを、本当に全員が同意できるまで話し合って、一歩ずつサウンドのアイデアを進めていくんだ。そしてそれは毎回クリエイティブなプロセスになる。俺たちはバンドがピュアでオーガニックでありながら、必然性のある音が何なのかってやつを探そうと試行錯誤していた。自由さもあり、スリルもあるときもあれば、何もかもを失いそうな危険なアイデアを試したりね、そういうことだよ。なんども服を着たり脱いだりを試しながら、何度もなんどもいろんなアイデアを試して、新しい結果を得て、また新しいアイデアやサウンドを生み、その違いがどんな相互作用になっていくかを試していく。音楽のとても重要な一面には危なっかしさや恐れだったりがある。音楽や芸術は一般的には、ピュアであればとても驚きの発見があるもので、なぜならそれは人々がまだ知らないものを目の前に提示できるからなんだ。多様性を非難したり無知でいる人々の顔面に叩きつける脅威っていうものでもある。
俺たちは観客の顔を見るのが結構楽しみなんだよね。何が起こっているのか、何が起ころうとしているのか、わからないからその顔色は不安になっていくを見るのがね。音楽はリアリティを持つべきだ。人生のようにハードで不確かに。そんな音を作ろうとしているとしているから、っていうのが俺たちのサウンドの秘密といえる。なるようにしかならないんだけどね。
音楽を作る時は明確に何かを説明できるような感じじゃないんだよね、2018年のレコードについては、自分たちをもっと自由に、もっとお互い違うフィーリングが生まれるようなプレイをしようとしていたり、様々な異なる種類の感情を同時に録音しようとしていたんだよ。ラウドでありながら繊細な、というような矛盾したフィーリングでもね。ドリーミーで、ダークで、鋭利で、つかみどころなく、宇宙的で、泥のようで、自暴自棄なようでいて、希望に溢れ、輝いていて、冷酷で。ただ混ぜるんじゃない、別に混乱したものを作ろうとしているわけじゃないんだけど、これが俺たちの作ろうとしているレコードってだけじゃなく、これが"全て"なんだ。このレコードに中に居場所を求めているし、これからも今以上に、このレコードに俺たちの人生について語ってほしいと思っているんだ。


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Gerdaはネット嫌いのポストハードコアだって3LAでも紹介してきたけれど、今回のインタビューは彼らのそのスタンスの裏にある美学みたいなことを語ってもらえたのは貴重だ。
Gerdaの関連音源はこちら >>> GERDA

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