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Interview with Broiler

「いつまでやれるかわからない、やれるうちに出来る限りスピーディーかつ精一杯楽しみながらやりたい」 / Interview with GREENMACHiNE (by 3LA)



2019年に15年ぶりの新作アルバムとして完成させた最新作『MOUNTAINS OF MADNESS』、そのアナログ盤を3LAからリリースしました。彼らが自称する「ハードコア・ロック」の現在進行形は最新の形であると同時にクラシック感の漂う紛れもない名作。今回短期間で完成されたと聞いていたが、内容は高い完成度を誇っており、バンドの創造性がとんでもなく良い状態に保たれていることを感じさせる。これから各方面にリリースツアー等を行うタイミングでのインタビューです。

Q. EP『FOR THE NIGHT AND BLOOD』(2016年)、そしてHangman's Chairとのスプリット(2017年)をMusic Fear Satanからリリースし、そして遂にというタイミングでフルアルバムのリリースとなりました。アルバム制作のきっかけというのはありましたか?

MAX:編成も変わって、制作とライブを重ねていくうちに、自分たちのなかでも手応えを感じアルバムに着手しよう!となりました。

Q.その際あえて短期間で制作しようと思ったのは何故でしょうか?

DATSU:期間と期日をタイトに設定し、そこに多少無理してでも合わせるのが、自分たちに向いているやり方なので。あと、ベーシスト失踪中でも創作意欲や勢いを止めるのは嫌だったし。

Q.具体的にはソングライティング、レコーディングなどにどれくらい時間をかけているのでしょうか。
作詞だったり、サウンドのメイキングなどにも時間がかかるものだと思いますし、多大な集中力を要する作業であると想像します。

MAX:作曲〜録音で2ヶ月ぐらい?でしょうか。
作曲についてはジャムの中から作ったフレーズの切れ端がいくつかあった状態からそれを組み立てて曲にする。それらをアルバムをイメージして並べ、また曲を作る、とアルバムをイメージして俯瞰しながら作りました。といってもその切れ端も多分全体の半分以下ぐらいかな、使われてるのは。
「こう来たらこうだよね」とトントンと決まった曲もあるし、ひねりにひねって構成で完成させた曲、原型を全く留めなかった曲などいろいろあります。
そして、ボーカル、ギターソロなどがない状態で録音に突入しました。
これはお互いのセンス、技量を信じているからこそだと思いますし、納得行くものとなっています。
今回は以前までの制作環境である、金沢のレコーディングスタジオで録音、STUDIO ZENでミックス、マスタリングという流れから一つ変わって、自宅スタジオにてセルフで録音して、STUDIO ZENへという流れでした。
機材を揃えるところからスタートして、自分たちでマイキングを試したり、楽しんで出来たと思います。

Q. その最新作『Mountains of Madness』は15年ぶりのフルアルバムということもあり、各方面で多大な反応があったと思います。「HARDCORE ROCK」というキーワードを自身が掲げているということもあり、「本当にハードコアロックだ!」という納得の出来栄えであると同時に、リスナーそれぞれのバックグラウンドによって第一印象で思い浮かべるキーワードも違うように思いました。モーターヘッドやブラックサバス、という要素はもちろんジャパコアだってあるし、NWOBHMを感じたという感想も見かけました。僕自身もともとハードコアを聴く前に、メタルを聴いてた人間だったので、そのNWOBHMを感じるっていう意見、すごくわかるなと思いました。
この楽曲の多彩さも、もちろんバンドの狙いですよね?

MAX:個人的には自分が受けてきた影響を全部さらけ出そうと思っていました。
「多彩にしようぜ!」って話したわけではないけど、でも「今までのことを大事にしながらやったことないこともどんどんやろう」という空気感はあったと思います。
人に言われた感想で「サントラみたい」って言われたのがすごく残っていて、それってすごく嬉しいですね。

Q.音質、CDの時点でもかなりアナログ感を感じる音でした。GREENMACHiNEはモダンな音作りにはいきませんね。最新型にアップデートされているけれど、どこか往年の名作のようなクラシックな響きがある。このあたりのサウンドメイキングの進め方についても教えていただけませんか?

DATSU:基本理念は“ハードロックな音でハードコアを奏でる感”です。それは常々変わりません。

MAX:僕らが絶大な信頼を置くOKAZAKIさん(STUDIO ZEN)によるところも大きいと思います。
モダンな音作りは耳あたりが強いしダイナミクスに欠けるし疲れる印象があって。奥行きのあるダイナミズムのある音が合うと思います。3rdのリマスターのときにも感じました。
今作もずっとリピートして聴ける仕上がりになっていると思います。


Q. ちなみにタイトルの『狂気の山脈』はクトゥルフ神話の元祖と言えるラヴクラフトの小説から取っているようですが、この小説もラヴクラフトは短期間で完成させていて、それが代表作品ともなっている。音だけでなく、その作品自体の背景もアルバムと似ているなと感じたのですが、そういったことはも意識していますか?アルバムアートワークも完全にクトゥルフ、わかる人にはわかる、と同時にLIP CREAMへのオマージュにもなっているという。

MONZAWA:いつかクトゥルフ神話、というかラヴクラフトの小説を題材に歌詞を書こうと思っていて、今回は全てフィクションの世界、物語から歌詞を作りました。その内の一つが“Mountains of Madness"なんですが他の曲はクトゥルフ神話ではなく別の物からのモチーフなんです。
自分の中では特に全曲を通しての統一感は考えてなかったですが、決してハッピーな物語ではないですし、その辺の表現といった所では共通しているかもしれません。

DATSU:アルバムタイトルを“Mountains of Madness"にすると決めてから、頭の中に浮かんだアートワークのイメージをスケッチして、イラストレーターのSUGI氏に依頼しました。自分のスケッチを見ていて、これは!まるでLIP CREAMのCLOSE TO THE EDGEじゃないか!となって、追加で裏ジャケ用に蛸の足を1本描いてもらったんです。

Q. アルバムの中にはドラマ性があり、タイトル通り、聴いていて感じるのはいくつもの山がありますね。クライマックスに向けて12曲目に「瀉血」という日本語タイトルがあるのが異色だなと感じます。日本語であるが故にダイレクトに響いてくるものがありますが、この曲は何か特別なきっかけのあった曲なのでしょうか。

MONZAWA:タイトルも含め詩なので、余程のことがない限り自分で詩を書いた曲は自分がタイトルを決めます。今回で言えば8曲ですね。
瀉血だけという訳ではなくほぼ全てそうなんですが私は曲が出来てからヴォーカルライン、歌詞の順に作業をします。
瀉血はあの曲ですのでならばこのスタイルだろうなと。ほぼ最後の方に作った歌詞なのでもう100パーセント日本語でいこうと。で、タイトルを決めるならば瀉血以外ないなと。
むしろタイトルが頭にありそこから言葉を繋いだといった感じもあったように思います。

DATSU:瀉血は実はミッドテンポの曲として作ってたんだけど、私の一存でジャパコアにしました。

Q. 2018年にはオランダで行われる世界最大級のへヴィロック・フェス、Roadburn Festival 2018への参加というニュースもありました。この出演では『D.A.M.N.』の再現セットでのパフォーマンスだったそうですが、現地のリアクションはどうでしたか?

MAX:その場にいた感覚としては最高のリアクションだったと思います。
会場も入場規制がかかったようでした。

DATSU:俺はずっと後方で終始スモークの中にいて何も見えてなかったです(笑)。


※開演前にMAX氏が撮影したという写真!

Q.どのようなきっかけ、経緯でこのような出演が決まったのでしょうか?

MAX:その年はConvergeのJakeがキュレーターを務めていて、Doomstar Bookingがそれを仲介してくれたような形です。
Convergeの古いインタビューでGREENMACHiNE が好きと言ってくれてたのは覚えていたけど、直接メールが来たときはびっくりしました。

Q.この日は『D.A.M.N.』の曲以外も演奏したのでしょうか?

MAX:アルバム全部演奏してから、新しめの曲を2曲演奏しました。

Q.『D.A.M.N.』はバンドの最初期の作品として重要なものであると思います、と同時に、現在進行形のバンドのサウンドを提示したいという葛藤もあったのではないでしょうか?

MAX:ROADBURNサイドからアルバム再現ライブをできないかと打診された時,Man's Ruin からリリースされた1st,2ndが海外でも知られてるだろうからそうしようとなったと思います。でもいざ向こうに行くと3rdやEPの曲を知ってる人が結構いて驚きました。
ちなみにそのツアーの他の公演では全音源からまんべんなく演奏しました。

Q. 今回CD盤が既にリリースされていますが、LPを3LAで担当させていただきました。その中で思ったのは、バンドの意思決定の速さ、リアクションの速さ、です。バンドやってる人はほとんどがそれだけで食っているわけじゃないから忙しいし、スケジュールについてだったり、お金の面だったり、いろいろあると思いますが、GREENMACHiNEはとにかく早い、時にはフライング気味ですが(笑)。
そういった意思決定のスピード感は意識してのものですか?

DATSU:それは俺の普段の仕事の影響が強く出ているのだと思います。毎日常に迅速な判断と決定を迫られる立場にあるので。あと自身の末期衝動? 50歳目前ということもあり、いつまでやれるかわからない、やれるうちに出来る限りスピーディーかつ精一杯楽しみながらやりたいという思いがあります。

Q. 長くバンドを続けていくと、同世代のバンドってだんだん少なくなっていくと思いますが、心の中でライバルだと思っているバンドってありますか?これは国内外問わずです。

DATSU:音的には全く違うしライバルとも違うんだけどWRENCHかな。ドラムのムロチンとは同じ歳だし お互い久しぶりにアルバムを、しかも同じ日に発売したっていうのもある。あとベースの松田氏が言っていた“末期衝動”って言葉にとても共感しました。

MONZAWA:一昔前まではあったと思いますが今はもうライバルといった感覚はないです。何かを競って音楽をやる訳ではないので、そういった感覚が若い時より薄れてきたような気がします。数年前にツアーをやったNepenthesやETERNAL ELYSIUM達は戦友的な感覚を持っています。

MAX:僕は一回り他のメンバーより若いのですが、確かにそういうことは感じます。ライバルというか、個人的に同志と勝手に思ってる身近なバンドや人はいます。例えば2016年にツアーを一緒にしたETERNAL ELYSIUM / Nepenthes とか。
ライバルを挙げるとすればGREENMACHiNE です。特に僕は途中加入なのでその前の作品やライブに負けないものを残したいと常々思っています。

Q. 今でも創作意欲が全開になるときってどういうときでしょうか。それはバンドの初期衝動とはどのように違うのでしょうか。僕から見て、この人たちは極めているなと感じても、本人たちはまだまだ極めようとしている、という構図はよくあります。何が突き動かすんだろう、という疑問です。

DATSU:先ほども出ましたが、自分の場合は末期衝動ですね。創作意欲というよりバンド欲。単純にバンド楽しい~って気持ちが自分を突き動かしているのだと思います。
俺はドラムを始めたのが遅かったのに、あまり練習してこなかったし独学だし。だけどそれが功を奏したのか?この歳になっても出来なかったことが出来るようになる喜び、あんなことやこんなこともやってみたいという欲求、なんかいつまでも未熟な若々しい気でいられる(笑)。
もうね、ずっと楽しいですよ。今回のアルバムが完成してさらに楽しくなってきてるとこです。

MAX:景色とか映画とか面白い体験したときにそれで多少高揚したりすることもありますが、基本創作意欲が無いということがあまりありません。
既存の曲を”今日はこう弾いてみよう”と演奏することも、新しいリフを考えるのも表現として楽しんでやっています。
今までやっていないことに挑戦したいという欲もまだまだあります。



Q. 今回アナログでのプレスではマスターがアナログ用のマスターになっているということですが、意図的に何か音質面で変更している箇所ってありますか?僕的にはCDの時点でかなりアナログ感を感じさせる作りだったので、では実際のアナログ盤ってどんなところが違うんだろうっていうのは気になる人が多いと思います。

MAX:これは一つはテクニカルな面があります。
今回国内プレスなので、そこまでシビアにならなくても良かったかもしれませんがCDのデータそのまま渡すとカッティングに失敗することがあるということで、ヴァイナルに適したレベル調整やそれに伴う音質補正を行っていただきました。

DATSU:結果、CDとは聞こえ方が明らかに違いました。演奏者として聞くと「ええ~!こんな部分まで聞こえるの?」ってなくらい違います。驚きでした。

Q. 本作『Mountains of Madness』を製作している中で、バンドで、もしくは個人で特に聞いていた楽曲というのはありますか? 今ハマっているバンド、最近ヤバいと思った楽曲なんかを教えていただきたいです。これはただのアイデアなんですけど、Spotifyとかのプレイリストで、GREENMACHiNEを更に楽しむための〜曲みたいなもの作ってみたいなと思いました。

DATSU:J-Popしか聞いてなかったです。あとは自分たちのセッションの断片をひたすら繰り返し聞いて、これとこれは繋がる これとあれはこういう風に広がる とか、頭の中でそういう作業ばかりしていました。

MONZAWA:制作期間はほぼ音楽を聴かなかったです。ハードコア、パンク、メタルだけではなくロック全般を聴かなかったです。昔から制作がリアリティを増してくると自分のジャンルを聴かなくなるので。強いて挙げるならばラテン音楽やジャズ、ヒップホップ等を聴いてました。趣旨に合わなくて申し訳ない。

MAX:バンド内で新譜やおすすめを共有してるのですが、国内の音源が次々良いアルバム出ていたと思います。先日ヘルプで参加したNoLAのアルバムも力強かったし、愛知の新しいバンドTHE OUTBURNも印象に残っています。
あと僕個人ですが、履歴をみて昨年秋冬聞いてた曲をいくつかピックアップしました。


Q. この先のリリースやツアーなどの予定は決まっていますでしょうか?LPは海外からも注文が多くて、ツアーに来てほしいっていう意見も増えているかと思います。

DATSU:5月の名古屋HUCKFINNがこのアルバムの楽曲を演奏する初めてのライブでした。次は6月15日に東京新代田FEVERにて。その後は6月29日の金沢ASH、7月20日の大阪SOCORE FACTORY、9月15日の大阪火影、9月21日の福岡public space 四次元、9月22日の台北Revolverと続き、10月13日に今年最後のライブとして再び金沢ASHにてDATSU生誕50周年記念ライブをジャジャ岩城氏との2マンで。オーストラリアやアメリカに行く計画はありますが、2020年以降ですね。

MAX:年内はライブを行った後、じっくりと何らかの制作に入ると思います。
ありがたいことに来てほしいというメッセージは日本の様々な街、色んな国から届きます。

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MOUNTAINS OF MADNESS / GREENMACHiNE (LP: Green Vinyl)はこちら >>> 『GREENMACHiNE (LP: Green Vinyl)』
LINK : GREENMACHiNE Facebook / GREENMACHiNE twitter


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