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2020年にデジタルでリリースされていたGensenkanとZeamiのスプリット、そして2020年にリリースされた音源の中でも最も印象的だった日本人作品の1つでもある。本作フィジカルリリースがずっとなかったのですが、紙ジャケットDIY仕様のCDRで入荷しています。

まず歌詞カードが付いているんですが、この歌詞のブックレットはめちゃかっこいい。こんな言い方をするのは変かもしれないけれど、近頃では歌詞を掲載しなかったりジャケットアートワークにあまり意識を向けていないリリースも多いので、余計に感じたのですが、近年稀に見る傑作歌詞カードです。その歌詞を読みながらこのザラザラの質感、サウンドとがこの紙質も合っていることに気づく。デジタルとはまた違う響き方に感じてしまう。GensenkanはKomusoにも通じる激情の中にある静けさを、隙間を歌うことの出来る数少ないバンド。音の隙間、言葉の隙間に表現がある。一方のZeamiは歌詞の響かせ方、楽器の響かせ方が見事で、エモバイオレンスの匂いも。どちらのバンドも音はしょぼいはずなのにかっこいいと感じるし、どちらのバンドもボーカルがリリシストなのも良い。方向性は全然違う2バンドなのに、時代との距離の取り方というか、どちらも孤独な感じがするのもまた良いのかもしれない。

tracklist:
1. Gensenkan - Blur 2:38
2. Gensenkan - 滞留 1:09
3. Gensenkan - Distant Star 2:43
4. zeami - 帰郷 1:43
5. zeami - 孤絶した疾患者 1:35
6. zeami - 雪の島 2:04