東京のハードコアパンク、KLONNSの2019年CD音源、当時の新曲4曲+15曲のボーナストラックを収録ということでスタジオ音源とライブ音源が目一杯収録されております。
KLONNSというバンドがこの音源よりもっと前にリリースしていた音源をディストロで取り扱ったり、3LAのコンピレーションにも参加してもらったりインタビューしてみたりして、当時はなんとなく自分なりに理解しようとしてたのかもしれない。さて、その当時は"ブラッケンド"というキーワードを元に僕はアプローチしていた気がするんだけどこのCDを聴き進めていくと事の本質はそこじゃなかったかもしれないと思えてくる。究極的には彼らがハードコアで表現しようとしているものは本質的なものであることに違いはない。そのひとつの鍵は"RAW"であることだ。"RAW"であることというのは、解像度を落とした表現であるということだ。音はディストーションで歪みまくりノイジー、ボーカルも何を言っているのかほとんど判別不能。情緒的な響きを排除したリフ、時に無機質さも感じる冷たく重いビート。解像度を落とすというと、例えばデジタルで記録された高画質な映像よりもVHSのノイズ混じりの映像にしか伝えられない質感があるとか、128bitのゲーム機よりも限られた機能を目一杯駆使した16bitのSFCのゲームのほうが面白いソフトが多いぞとかそういう類のものに近いかもしれない。削ぎ落とすことよって何かを浮かび上がらせる。そう仮定してみると、音源の後半に詰められたライブ音源のほうがもしろ本編かもしれないと思えてくる。そうするとやっぱりブラックメタルなんじゃないかという振り出しに戻る。戻れ。
tracklist:
1.VVLGAR
2.MOBLISH
3.GARDEN
4.F.I.S.(ABRAHAM CROSS COVER) feat.HIKARI(Granule)
5.IN(Bonus Track)
6.FLOWERS(Bonus Track)
7.SHIVER(Bonus Track)
8.VVLGAR live at Bushbash 20191222
9. MOBLISH live at Bushbash 20191222
10. HYDRA live at Bushbash 20191222
11. F.I.S. feat.Ray live at Bushbash 20191222
12. HORDE live at Bushbash 20191130
13.CLAY live at Bushbash 20191130
14.HYDRA live at Bushbash 20191130
15.JEALOUS live at Bushbash 20191130
16.HORDE live at K/A/T/O MASSACRE 20191009
17.JEALOUS live at K/A/T/O MASSACRE 20191009
18.VVLGAR live at K/A/T/O MASSACRE 20191009
19.F.I.S. feat.Aisha live at K/A/T/O MASSACRE 20191009