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German Punk/Hardcore Scenes; Interview with Tim Rottorf(Phobiact Records)

ゆっくりと進んでいるジャーマンハードコアシーンへのレポ。
ドイツのパンク/ハードコアシーンに迫るインタビュー第2弾はAlpinistやPATY O HARA、NOT ON TOURのリリースをしているPhobiact RecordsのTim Ruttorf氏へのインタビュー。

Q:これはいつも聞いているのですが、まず最初にドイツのハードコアやエモシーンについて重要だったバンドやレーベルについてお聞きします。あなたが重要だと考えているバンドやレーベルを教えてください。
Tim:うーん、まず最初に自分のルーツは(ハードコア以前の)パンクシーンにあることを言わなくてはいけない。俺は今ではハードコアのシーンと関係を持っているが、それ以前はずっとハードコア以前のパンクを聴いていたんだよ。80年代のドイツのパンクシーンは今日のそれよりもずっと小さいものだった。当時の重要バンドとしてはUPRIGHT CITIZENS, HOSTAGES OF AYATOLLAH ,SPERMBIRDS, INFERNOなんかが特筆すべきバンドとして挙げられる。レーベルとしてはAgressive Rock Produktionen、Weird Systemあたりが今日ではクラシックである名盤をたくさんリリースしていた。90年代になるとSkuld ReleasesやAlerta Antifascistaがクラストやアナーコパンクのリリースにおいて重要な役割を担うようになった。現在ではHardware Records、Vendetta Records、Per Koro Recordsなどがドイツを代表するレーベルと言えるね。バンドは全て挙げることはできないけどウチでもリリースしているSniffing Glue, Alpinist, Glasses, Patsy o Hara, Chuck Damage, Dean Dirg,Nervous Breakdownなんかは良いバンドだよ。
※UPRIGHT CITIZENS 知る人ぞ知る最高のドイツパンクバンド。

※Patsy o Hara 深淵な世界観で描くポストメタル的とも言えるサウンドがグレイト。


Q:あなたがこのシーンにはまるきっかけとなったのはどのようなことですか?やはりレコードを聞いたりライブを観に行ったりしたのでしょうか?
Tim:姉が作ってくれたパンクミュージックを詰めたカセットテープが最初だよ。それをすごく気に入ってからレコードをたくさん買うようになったんだ。同時にライブも観に行くようになった。ライブは本当に初めての経験だったけどステージで演奏するバンドのエネルギーに魅了されたよ。こうして自分もバンドをやるようになったわけだが。そのときにこれぞ自分がずっと探し求めていた環境、それがパンク/ハードコアのシーンにあるぞということに気がついたんだ。このシーンでは俺は好きな事ができる。ショウを企画したい奴もバンドで演奏したい奴も自由に、やりたいようにできるってことに気がついたのさ。

Q;実際、このようなシーンでパンク/ハードコアを聴くような人たちはどのような考えを持っているのでしょうか?
Tim;私がおもうにかなりいろんな考え方をもっている。人間は多様性のあるもので、ショウに行けばそれはわかる。人々がもっている考え方に絶対的なものなんてないと思うが、それでもショウにきてる人々はアクティブで重要な考えをもってる人たちだ。日本での状況はどうだか知らないが、ヨーロッパにおいては地域で独立するという考え方がかなり人々に浸透していて、自分もその点を非常にリスペクトしている。パンク/ハードコアにとってもそういった考えをもった人々がいるということが重要で、自分も我々がヨーロッパ・ドイツにインディペンデントな団結をもっていることをうれしく思っている。そのようなインディペンデントな集団というのは、日常的に警察や政府とトラブルになる。地元の政治に締め付けられるなんで、実際悲しいことだけどね。

Q;日本でもハードコアバンドを聞いている人はやはり普通の人とちょっと違った考え方を持っていたりします。あなたのレーベル運営における考え方を聞かせてもらえませんか?
Tim;自分は常に、好きなバンドたちと友好的に仕事をしていくよう試みている。対立してるやつらやセンスのないやつらと一緒にやってもしょうがないからね。私にとって重要なのは良い姿勢とメッセージをもっているバンドとフェアに仕事を進めていくことだ。私は利益は求めていないが、できるかぎり反資本主義なやり方で経営を進めていこうと思っているんだ。バンドが自分自身の手ですばらしいレコードを作った喜びを共有できるのもすばらしい。できるかぎり彼らをサポートしていきたいし、重要なのはそれがセールスで何枚いったかという問題じゃなくて重要なのは仲間たちと情熱を燃やして取り組めるかどうかなんだ。リスナーがそれらを気に入ってくれればもちろん最高だね。

Q;ポストハードコアやネオクラストはパンクの進化の形のひとつだと思いますが、あなたにとってパンクとは一体どのようなものでしょうか?
Tim;私にとって何がパンクなのかがわかるまでには数年を要した。最近わかってきたよ。それは自分の人生の残り時間を形式ばったものにしないってことだ。自分のまわりの物事は常に移り変わっていく。そうだ。ポストハードコアやネオクラストだってパンクの進化のスタイルのひとつなんだ。スタイルっていうのは常に先へ先へと進んでいく。重要なのは自分自身のスタイルを作り上げることで、それは常に自分自身であるということ、物事をポジティブにクリエイトしていくこと、決して流行の何かの一部になってはいけないってことだ。

Q;あなたが思うこれからのシーンについての意見を聞かせてください。
Tim;私がシーンに望むのは良い姿勢と情熱をもった人々がこのシーンでショウを企画し、アクティブに、バンドでプレイし一般社会にたいしてある種のオルタナティブを作り上げていくことだ。このシーンに入ってくる人は常に若い世代だと思うからね。彼らは社会に対して安易に妥協したくないと思っているから、それはとってもすばらしいことだよね。

今回インタビューを受けてくれたTimもかなりドイツパンクの黎明期について知る人物なので今後機会があれば更に聞いていきたいところ。また彼の友人でもあるPerKoroRecordsも相当詳しいらしく是非彼に聞いてみろと連絡先を教えてもらいました。あまり知られていない黎明期のブレーメンサウンドの秘密に迫りたいところです。

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