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Interview with Ryan (Meatcube Label, ex.Ceace Upon The Capitol,Sanctions)

Meatcubeレーベルを運営し、Cease Upon The Capitol,Sanctionsのメンバーでもあったライアン氏にインタビューしました!
日本への愛の溢れるコメント、そして音楽を世界にシェアしていこうとする行動力に心からリスペクト覚えました。

Q.レーベルを始めたのはいつですか?
A.もともとディストロを始めたのは2003年、枚方にある関西外大での留学を終えてアメリカに帰った後だね。 僕の初めのディストロは Black Film DanceのCDや日本バンドのコンピなんかだった。それで2003年の12月にGauge Means Nothingの1stEP をリリースしたいと頼んだんだ。レーベルは名は “I’ve Come For Your Children.” になったよ。
いろいろリリースしたな、Dip Leg, Danse Macabre, Cease Upon The Capitol, そしてThe Third Memoryなんかのバンドだね。けど2007年に家族やお金の問題でレーベルを止めた。だけど2009年ら辺に僕のバンドSanctionsの新しいアルバムが出したくてMeatCubeLabelっていう新しいレーベルを始めたんだ。2009年以降、リリースしたバンドは大体ナッシュビルかテネシーからだったね。今年の始めに日本の5バンドによるスプリットをリリースしたし、今年中にたくさんの日本のバンドのリリースの予定があるよ。

Q.レーベルはどういう感じで始まったのですか?
A.僕がディストロを始めたとき、日本のバンドをリリースしてる他のレーベルにメールして、いろんな物を売り始めたんだ。僕の知り合いを通じて、自分でなにかをリリースしたい気持ちは大きくなっていって、いくつかのバンドのリリースを手伝うまでになった。初めはとてもゆっくりだった。なんせ僕は大学にいたし貧乏だったからね。

Q.今までどれくらいバンドをリリースしましたか?
A.世界中から30ちょっとかな。リリースした中で大きかったのはGauge Means Nothing (Japan), Dip Leg (Japan), My Precious (Singapore), Cease Upon The Capitol (USA), Danse Macabre (Germany), The Third Memory (France), Brume Retina (France), Utarid (Malaysia), Tiala (Japan)かな。

Q.レーベルポリシーみたいなのはありますか?
A.いや、特にないかな。その音楽が本当に好きな必要はあるけどね。今レーベルはほぼ日本のバンドだけに焦点を当てていて、日本のバンドを世界に紹介したいんだ。日本外のバンドもリリースすると思うけど、それも日本のバンドとのスプリットにしたいね。レーベルとしての目標は日本のバンドを世界に広げることなんだ。

Q.すごくたくさん日本の友達がいるようだけど、どれくらい日本にいたのですか?演奏をする機会もあったのですか?
また日本で一番お気に入りのバンドは何ですか?

A.2002年に日本の関西地区で勉強して、2003年の終わりにGauge Means Nothingがマレーシアとシンガポールをツアーした際にギターでサポートしたんだ。本当に楽しかったよ。メンバーとも仲良くなったし、一緒にツアーしたCoholやTialaのメンバーとも仲良くなれた。それ以降、日本には戻ってないよ。日本の友達たちとは今でも連絡とってるけどね。

(Gauge Means Nothing、活動期間は1997-2005年くらいでNitro Mega Prayerのメンバーも在籍していた。)

2007年に僕のバンドCease Upon The CapitolがImpulse RecordsのTrikoronaとスプリットを出したな。僕らは日本ツアーがしたかったんだけど、バンドが解散しちゃったんだ。
日本のベストバンド?とても難しいけど、僕のお気に入りで、音楽に関する考え方を完全に変えられたのはenvyかな。彼らの最近の方向性はそんなに好きじゃないけど、「君の靴と未来」は純粋にマスターピースだった。今だったら日本でのお気に入りはTetola93かな。残念ながらもう解散しちゃってるけど!

Q.あなたはMeatcubeというレーベルを運営していて、ブログでは日本のバンドを紹介しています。率直にいって日本のシーンをどう思う? この質問の意味としては、日本ではよく海外バンドの真似じゃないかという批判的意見もあるんです。
A.僕は日本の音楽シーンは外国のシーンと全く違う見方が出来ると思うね。日本の音楽のなにが特別かっていうと、メロディのセンスなんだ。日本のバンドの曲の作り方ってすごくユニークだよね。いつもそれがどこから来るか不思議に思ってるんだ。僕はたまにとても悲しげな演歌を聴くんだけど、もしかしたらその時代の音楽から日本のメロディの感性が来てるんじゃないかって思うんだ。本当かはわからないけどね。でも僕がオフコースやLUNA SEA, X Japanを聴くときでさえenvyとかDip Legみたいなバンドと似たメロディを感じるんだよね。

Q.最近のリリースでは5wayのスプリットテープで日本人のバンドをリリースした。これはなぜリリースしようと思ったの?
A.2012年の初めにもっとレーベルに熱を入れることにしたんだ。Keep It Together Recordsをやってる友達のJacobがBlue FriendとCofunが主催する5バンドによるスプリットカセットのリリースを予定してることを教えてくれて、僕も一緒にリリースしたいと伝えて、一緒にやったわけだ。彼らを音源を世界にリリース出来てとてもうれしかったよ!

Q."sanitizejapan"(リンクはこちら)
このブログもあなたが運営しているのですか?どういった理由で始めたのですか?

A.そうだよ、2011年の終わりくらいに始めたかな。今は休止中だけど、今年にまた始めるかも。僕は廃盤になってたり忘れられてたりする日本の名盤をたくさん持ってて、それを世界にシェアしたいからね。古いヴィデオやフライヤー、ジンとかも投稿するよ。ほとんどの物は僕が日本にいた2002~2003年のときに手に入れたのものだから、そういうのばっかり投稿するね。あと新しいバンドをオンラインで見つけたときも投稿するようにしてるよ。 西洋ではほとんどの人がオンラインで音楽を見つけて買うんだ。だからもっと多くの日本のバンドがBandCampみたいなサイトを使って音楽を広めたり売ったりしてほしいと思うよ、そうすれば西洋人も楽しめるからね。

Q.日本人のバンドの優位性というのは何でしょう?
今日ではいくつかのインストバンドが海外で評価されてるけど、言語っていうのは重要なポイントなのでしょうか?

A.インストって最近とても人気だし、日本にもインストの素晴らしいバンドがいるよね。歌詞を訳す必要がないから、日本のバンドにとってはインストのほうが世界に音楽を広めやすいんじゃないかな。
僕は歌詞はあんまり気にしないから、音楽的な面に集中するね。だから言語は僕にとっては問題じゃないんだ。思うに、他の人はもっと歌詞とかなんの言語で歌われてるかを気にしてるよね。なんでかはわからないけど、それはメインストリームには大切なことなんだろうね。

Q.今度のリリースプランを教えてください。次のアクションを楽しみにしています。
そして日本のファンにメッセージをください。

A.いくつか計画があるよ。メインのリリースは年末になるかな。Tetola93の最後のLPアルバム (最高だよ!)と日本のStubborn FatherとSeeKのスプリットLP、あとアメリカのThetanとAltar of ComplaintsのスプリットLP、そしてCease Upon The Capitolのカセットディスコグラフィかな。

(残念ながら解散してしまったTetora93。メンバーはTheScytheWillRustAway DISTROという濃厚なディストロも運営している。)

あと日本の音楽に焦点を当てたジンも作ってるよ。出来れば3~4ヶ月に一回は出したいね。毎回インタビュー、文章、レビューを載せる。そしてコンピもつくよ!乞うご期待!
日本のファンへ。読んでくれてありがとう!近いうちに日本に行きたいね!そのときに会おう!

Q.ありがとうございます。追加であり最後の質問です。
貴方にとって音楽とは?パンクとは何でしょう?
A.思うに、「音楽」と「パンク」は人それぞれ意味が違う。誰にとっても正しい答えはないと思う。けど僕にとっては音楽はインスピレーションであり、感情であり、情熱なんだ。いつでも、音楽を聴いてないときでさえも頭の中では音楽がなっているよ。音楽は僕にとってある種の精神的な存在なんだ。パンクはちょっと違うかな。パンクは生き方であり、物事のこなし方を選ぶことだよ。それは常に120%でなにかに取り組み、他人のことを気にかけることだね。パンクは自分で物事をこなすことであり、嘘をつかず、無視をしないことだ。それは常に疑問を持ち続け、人に指示されることに満足しないことだ。パンクはファッションスタイルや音楽のスタイルじゃないと思う。

(ドラムをプレイするライアン氏。胸にはしっかりKillieのプリントが)

以上、ライアン氏のインタビューでした。
内容としては主にライアンの目から見た日本シーンについて聞く内容になってしまってもっと違う視点からの質問もすればよかったかなと思いましたが、いろいろ丁寧に回答してくれたおかげで面白い内容になったと思います。
実はライアンの起こしているアクション、日本の音楽を世界にシェアし広めていくというプロジェクトは自分の夢とリンクする部分が大いにありました。日本の音楽シーンはライアンが言うように海外からかなり離れたところに位置しています。もっというと多くのシーンの文脈から外れてしまったところにいるため海外からの正統な評価を受けていないようにも感じるのです。もっと知る人が知れば、多くの人が楽しめるものだと思うんです。
これは何枚売ったとか、ライブがどれだけ盛り上がったとかそういう問題とは別の話で、日本で生まれた音楽がこの先数年先も聴かれるか聴かれないかという問題に関わると思っています。メタリカやアイアンメイデンのようにその音楽をシーンの文脈の中に位置づけ、価値を見出していくことをしなければ残るものも残っていかない。彼らは音楽を作るだけじゃなくて、いかに自分達のバンドをブランディングし、自分達の音楽をどう残すかっていうことを意識的に考え実行に移した。そういうことがこのシーンにも大事だと思っていて、音楽の趣味も細分化してただでさえビッグメディア不在となってしまっている日本の現状もありますのでこのままではやばいなと思っていました。何故日本のシーンが海外のシーンの文脈と交わる機会が少なかったのかというとライアンのように熱意をもって英語で日本のシーンを語る人間があまりにも少な過ぎたからではないでしょうか。音の前に伝えなければならないこともたくさんあって、それをうまく伝えられるようになったとしたらライアンのやろうとしていることは日本のアンダーグランドシーンにとってとても大きな意味のあるものになるんじゃないかと感じました。
本当にリスペクト!これからもサポートします!

(※英文の翻訳をghostlateの多田君が担当してくれました。本当に感謝です!)

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