Interview with ungodly(2016)
Q. 結成はいつですか?どのような経緯で結成したのでしょうか?
Gai(Ba) : 結成は2013年、始めは僕とgt&voのkirinoと、もう一人今とは違うドラムがいました。
ようやく初ライブが決まった1ヶ月前くらいにドラムの方が事情があって辞めてしまうことになり、そこで今現在のドラムであるshimaokaが加入してくれることになり、2013年11月が初ライブになりますので、本格的にバンド活動を開始したのが2014年ですね。初ライブからはメンバーチェンジなく3人で活動しています。
Q. メンバーはそれぞれ別のバンドでも活動していたのでしょうか?まだライブを見ていないのですが、それぞれがバンド内のアンサンブルなど押し引きをわかっているというかすごくバランスが取れていると思いました。このあたりある程度経験もないと出来ないのではとも思ったのですが。
Gai : ありがとうございます。
kirinoもshimaokaも各々で、現在は別のバンドを掛け持ちしている状態で、私も今は活動休止しているのですが、ungodly結成とほぼ同時期くらいから激情系ハードコアのバンドをやっていました。
ですが、皆初めて本格的に結成したバンドがungodlyで、各々のやってるバンドが、やっていたバンドの経験がungodlyのアンサンブルにもたらす影響みたいなものは僕は明確には解りません。kirinoとshimaokaが掛け持ちを始めたのは結構バンドが形になってからだったので。
押し引き、というより、皆それぞれが個性の強い音とフレーズを詰め込んだらガッチリ固まって、それぞれを活かせて、バンドとしてのバランスが取れたみたいな感じかな、と思います。
Q. 1stEPは各地で反応があったと思います。すでにバンド側でもソールドアウトだと聞いていますが、当初この反応は予想していましたか?
Gai.いえ、全く。最初各ディストロや店舗には僕が送ってて、売り切れました的なメールが来るたび驚いてました。
でも今作は海外からの反応もあって、前作以上の売れ方をしてるので更に想定外でした。
Q. 音源をリリースしてこれまでと変わった出来事などありますか?
Shimaoka (Dr) : 今作のトレイラーを聴いてくれたドイツのメタル専門ウェブジンのライターから「うちのサイトで取上げたいからCDが欲しい。」といったメールが来たりと海外から反響が来るようになりました。
あとメタル系データサイトのEncyclopaedia Metallumにいつの間にか登録されていたり。
ungodlyの名前がちょっとずつ広まっているなぁとは感じています。
Q. 1stEPはスラッシュメタル的な極端なディストーションサウンドとグラインド、ブラックメタル的な要素もあってとても面白かったです。メロデスっぽさもあります、そしてこの2ndEPでは更にブルータルな要素も出してきました。楽曲はどなたが作っているのでしょうか?
kirino (Vo&Gt) : ありがとうございます。
ギターリフを大体僕の方で作って後はドラムとかは基本的に丸投げしてます。その上で徐々に微調整していくという感じですね。
Q. サウンドプロダクションはバンド側でコントロールしていますか?失礼かもしれませんが2016年とは思えない、90年代さも感じさせるプリミティブで凶悪な音質ですし、他のバンドは結構モダンな音作りだと思います。このあたりも狙い通りなのでしょうか?とにかくバランス感覚が秀逸です!
kirino : 僕が90年代のデスメタル、メロディック、ブラックメタルとかが凄く好きでどうしても出てしまうんだと思います(笑)メンバー全員影響受けたジャンルが微妙に違うので全員の色んな部分を合わせたらモダンな部分は出て来なかったという(笑)
明確に狙ったわけではないんですが90年代ぽさが出てたのなら嬉しいです。
Gai : 狂気的なテンションみたいなのを表現するためにこの音が良かっただけで、90年代感やプリミティブ感というものを特別意識してやった、というわけではない気がします。
ライブも基本的にはこういう凶悪な感じの音作りです。
バランス感覚については、前作に続き、高松のM-STUDIOというスタジオで松下さんにレコーディング・マスタリングをお願いしたのですが、良い感じにメンバーそれぞれの良い部分や要望をうまく引き出してくれたのもあります。
録音からミックス・マスタリングまで前作の時よりも良いコミュニケーションを取りながら制作できたと思います。
Q. 楽曲のテーマなのですが、1stEPに続き今回も宗教的な意味合いのあるジャケットアートワーク、楽曲のタイトルもそうですね。キリスト教徒ですか?もしくはアンチキリスト的な話でしょうか?
kirino : 前回もそうですが歌詞は神に対しての皮肉なんかを歌ってます。
黒い存在が光りの存在を妬んだ歌とか。マリア様なら悪魔にも優しさをくれ その生き血で とかちょっと歪んだ感じの歌詞ばっかり書いてます。でも僕らは基本的に神も悪魔も信じてはいません(笑)
したがって、キリスト教でも特別アンチキリストでもないんですが、そんな事があったら面白いなぁと思いながら物語を作るような感じで歌詞は書いてます。
Q. 音源が注目されるようになって新しいリスナーも増えていると思いますが、こういうところを聴いてほしいというところはありますか?
Gai : 質問の答えとなっているか解りませんが、3人の音を全て一音残らず全部聴いていただきたいです。
Q. 楽曲面、演奏面ともにクオリティと高さを感じますが香川県のメタルシーンについて教えてください。近い要素を持っていると感じるバンドはいますか?
shimaoka : 我々の同世代以下はほぼメタルコア系、上の世代に正統派メタル、スラッシュ、エクストリーム系バンドがいて都会と比べたらバンド数は少ないとは思いますが香川にもメタルシーンは存在します。
勿論楽曲、演奏面のクオリティが高く格好良くて県外でもライブ活動をするバンドもいます。
ungodlyの楽曲はデス/スラッシュの要素が大きいのでそういう点では同郷のスラッシュメタルバンドImpaler、神風Suicide Attackが近いと言えるかもしれません。
ですがメロディックデス・ブラックメタル譲りのリフ、ブラストビートを多様するという点において香川ではungodlyだけです。
Q. 普段はどのようなところで活動していますか?
kirino : 普段は香川県の高松市内でライブをよくさせて貰ったりしています。たまに県外も行ってますね。
Q. メンバーそれぞれの影響を受けているレコードを5枚くらい教えていただけませんか?
kirino :
At The Gates「Slaughter Of The Soul」
Dissection「The Somberlain」
Defleshed「Fast Forward」
Terror Squad「Chaosdragon Rising」
Sodom「Get What You Deserve」
gai :
Deathspell Omega「Si Monumentum Requires, Circumspice」
(Split)「Enslave / Realized split」
His hero is gone「Fifteen Counts of Arson」
Zach Hill And Mick Barr「Shred Earthship」
DOOM「Complicated Mind」
shimaoka :
Dark Funeral「Attera Totus Sanctus」
Defleshed「Fast Forward」
Discordance Axis「The Inalienable Dreamless」
Last Days Of Humanity「Putrefaction In Progress」
Pig Destroyer「Terrifyer」
Q. 皆さんが上げてくれた5枚のレコードを見るとみんな結構ネガティヴな感情をエネルギーにした音楽です。ungodlyの音も紛れもなくそういった要素を重視した音楽だと思いますが、製作時に意識していることはありますか?シニカルな歌詞であるとはいえ、それだけではどうしてもこのパッションを生み出せていると思えません。質問をかえると、楽曲を生み出している原動力はどういったところにあるのでしょうか?
kirino : 原動力と言いますか何というか。僕個人としは、ちょっとキザな言い方をすると哀しみが原動力なのかなと思います。
たがら大体曲を作ってると暗い音色になってしまいます(笑)
でも、哀しい音色が一番綺麗に聴こえるし、僕自身も感情が凄くのせやすいんですね。
二人はまた別の原動力が恐らくあると思うんですが、一人一人の原動力が合わさる事によってungodlyというバンドのエネルギーになっているのではと思っております。
Q. 最後に今後の予定について教えてください。
Gai : 9月17日に初海外でのライブとなる台湾でのライブが台湾水菅音楽(PIPE LIVE MUSIC)で、10月9日には北九州でのサーキットイベントSUN FESTAに同じ香川からLook at momentと出演します。11月20日には初東京でのライブが小岩BUSHBASHで、12月10日にはいつもイベントをさせてもらっている高松TOONICEで自主企画を打つ予定です。
次作音源の構想はまだありません。
Ungodly : http://ungodly-japan.jimdo.com/
Twitter : https://twitter.com/ungodly_black
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