活動20年を超えてなお進化を続ける孤高にして伝説的グラインドコアSWARRRMと国内激情ハードコアシーンの立役者killie、究極と言えるまでの2バンドによるスプリット12インチ。ソールドアウトとなっていた本作が限定300枚、ジャケットやインナーシート、ヴァイナルカラーも全て変更され装いを新たに2nd Press!!
本作の2017年の1st Pressリリース以降、両バンドには大きな動きがあった。SWARRRMはニューアルバム『こわれはじめる』を2018年2月にリリース、ご存知のように賛否両論を巻き起こしたその作品内容、そして各地のライブでは大きな反響を生み出しアルバムはソールドアウト、現在に至っている。一方のkillieも2018年4月に初期からの作品を再録した編集盤『犯罪者が犯した罪の再審始まる』をリリース、予想を遥かに上回る作品の仕様も含め、彼らもまたこれまでにないほどの反応をシーンに巻き起こした。2018年に彼らが起こしたアクションに先立つ形でリリースされた本作は、今また別の意味を持ち始めていると言えよう。
SWARRRMのアルバム『こわれはじめる』は、彼らの新しい境地を提示した作品となっているが、収録されている「愛のうた」、そして「あなたにだかれこわれはじめる」という楽曲が、アルバムの中でも非常に重要な位置付けとなっているのは間違いない。ボーカリストTSUKASA氏の獣のような咆哮とバンドの鋭い演奏はそのままに、光の側からではなく影の側からの愛を歌い上げる異質のグラインドコアは孤高のSWARRRMというバンドならではの人間観や哀愁を反映させ、これまでにないほどに感情を内側から抉りにくる楽曲となっている、というのは本作1st Press時のコメントだが、まさにこのスプリット作品に収録された2曲はバンドのターニングポイントとしても重要な作品となった。killieもまた編集盤リリースにより大きな反応を得ているが、編集盤に収録された楽曲たちはいずれも過去の楽曲で、再録した時期も何年も前のものだ。つまりそれらが今のkillieが表現しているサウンドとはまた少し違った、いわばバンドが通り過ぎ作品として残してきた影とも言える。現在進行形の彼らの表現を伝えるには、やはりこのスプリット作品が今のところ最新なのだ。本スプリットに収録される「お前は労力」は演奏時間が10分を軽く超える大曲で、現代社会の闇をリアルに描きながら激情ハードコアとも形容し難い世界にまで深く潜り、彼らが既存スタイルを逸脱し、進化してきたことを証明している。そのような両バンドにとって意味深い1枚を廃盤にしておくわけにはいかない。
今、海外エクストリームミュージックシーンを見渡しても彼らのようなバンドは存在しない。SWARRRMもkillieも型に嵌ることなく進化しながら活動を続け、遂には日本のアンダーグラウンドシーンだけでなく欧米や東南アジアに対しても存在感を放つバンドとなっている。この2バンドそれぞれが、これまでのバンドのイメージから更に先へ進もうとする高い次元での挑戦的な楽曲を持ち寄った本作スプリットは、正にこのタイミングだからこそ生まれるべくして生まれたマスターピースと言えるだろう。
仕様はレッド&ブラック盤、歌詞は日本語と英訳、mp3ダウンロードコード付。2018年7月16日、販売開始。
trackling list:
A-1. 愛のうた
A-2. あなたにだかれこわれはじめる
B. お前は労力
※耐え忍ぶシルクスクリーンポスター(66枚限定) 3,000円(税込)
SWARRRM+killieのスプリット『耐え忍び霞を喰らう』の2nd Pressを記念して制作されるシルクスクリーンポスター。
サイズは(W420)x(H620)mm、完全手作りの手漉き紙を用い、シルクスクリーン2色で手刷りで制作されます。2nd Pressのジャケットイメージの赤と黒の配色、背景の樹海はインナーシートのアートワークのイメージとなっており、1st Press時とは意味合いの変化した本作の世界観を表現しています。手刷りにより一枚一枚制作されるため、大量生産の商品では表現できない重厚な仕上がり。ポスターはLPと別途発送となります。