関連タグ: アメリカ 2010年代 ネオクラスト ブラッケンド

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USネオクラストシーンを支えてきたHalo Of Fliesレーベルを運営するCory率いるProtestantの2014年リリースの最新作。今回もまた音楽性に変化が見られる作品となっており、新たなファンを獲得すると同時に旧来のファンを失いそうな要素を含んでいると言えるだろう。それだけProtestantのサウンドの変化は激しい。
バンド初期のサウンドは80'sメタルの影響とクラストをクロスオーバーさせた方向性であったが00年代の終わり頃からのネオクラストの波と共鳴するように、彼ら自身のサウンドもネオクラスト化していった。そしていま再びメタルに回帰したのだとも言えるが、これはメタルへの回帰ではなくむしろ進化だ。Coryがレーベルを運営する中で感じ取っていたであろうアンダーグラウンドシーンの最前線とも言える"ブラッケンドハードコア"により近づいたような印象で、これから始まるHexisのUSツアーを意識しているのかもしれない。ネオクラストもブラッケンドハードコアも、クロスオーバーの果てに形成されてきたサブジャンルの一部に過ぎないが、本作では明らかにそのクロスオーバー同士、ネオクラストとブラッケンドハードコアの配合を試みている。その結果としてこのアルバムが生まれたわけだ。ProtestantがUSネオクラストを極めるという方向性ではなくなったのは少々残念ではあるが、僕はこの変化を支持するしProtestantのブラッケンドハードコアには流行を、表面上でかすめ取っていくような印象はほとんど無い。多くのバンドが"流行"であるという理由でブラッケンド(というよりブラックメタル的なサウンド)に接近していく昨今であるがそこに必然性は感じないし、思想が見えない、語られないという現状に対してもいい加減にしてくれと思う。Protestantを以前から追って、彼らのビジョンを共有できていたリスナーにとっては彼らの変化を理解ができるはずだ。怒り、悲しみ、無限と永遠、まだ自分さえも知らない人間の本質、深層への接近を試みるProtestantの新章。

tracklist:
1. Vengeance 04:13
2. Carrion 03:06
3. Never Forget 02:42
4. Vultures 03:30
5. Blood 04:19
6. In Thy Name / Hell's Insanity 04:32
7. Forfeit 03:28
8. Delusion 04:15