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Beau Navireらと共にUS激情シーンの最注目バンドの一つLoma Prietaによる2012年リリース作品。音源としては前年のPunchとのスプリット以降、LPとしては2010年の『Life / Less』以降の音源として遂にリリースされた本作は古巣のDiscog Huelgaから離れDeathwishからの発表となった。正直Deathwithになってしまうから音もお洒落になるのではないかという不安はあったが、聴いてみれば今まで通りのダーティーなサウンドの質感はそのままに、Orchidら先人達とは別の、より全体が洗練されたエモバイオレンスの新境地に到達したといったところ。かなり良い。細かく言えばサウンドは前作よりエッジを際立たせ緊迫感を増している。これは単純にサウンドメイキングにかけられるだけの余裕が生まれたということだろう。クリアかつカオティックに激走しまくるサウンドは、まさにDeathwish系の音という印象はある。この変化とレーベル移籍から予想するにLoma Prietaはこの段階で、もうひとランク上の世界へと踏み出そうとしているのだろう。特に初期から楽曲、サウンドともに驚異的な速度で成長してきたバンドだけに、変化し続けているのは当然のこととして納得できるし自分としても別にセルアウトしてるとも思わない。そもそも小さな世界だけで活動するにはもったいないバンドだと思っている。過去の作品群を聴き込んですらいないライターが薄っぺらいレビューをしていたが、まずは自分の耳でしっかり聴いて判断すべき作品。初期と比べて圧倒的にメジャー感を増した楽曲群は初期サウンドのファンからは反発も買う可能性もあるが、シーン自体は保守的でもないし概ね好意的に受け入れられるだろうと予測している。果たしてどういう結果になるのか楽しみ、と当時は書いていました。

tracklist:
A1: Fly By Night
A2: Torn Portrait
A3: Reproductive
A4: Trilogy 4 "Momentary"
A5: Trilogy 5 "Half Cross"
A6: Trilogy 6 "Forgetting"
B1: untiteled
B2: Uniform
B3: Uselessness
B4: Aside From This Distant Shadow, There Is Nothing Left
B5: Biography
B6: Diamond Tooth