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2015〜2018年に活動したカナダのアルバータ州エドモントンのScreamo、I Hate Sexのラストアルバム『World of Grief』は2017年の作品だけれど2020年の今に通じる流れの源流にいたバンドなのかもしれない。確実に流れに変化が見えているとはいえ「Female Fronted」なんて言葉が未だに大きな意味をもってしまうのがここ日本でのシーン、カナダのほうではどういう状況なのか肌感ではわからないけれどI Hate Sexはその名のとおりジェンダー的なテーマを背負いつつ、意図してかどうかわからないが音が重低音化していくマッチョ(男くさい)Screamoと距離を置いたことでその立ち位置を明確した。叫び声の迫力もなく、演奏の音は細い。それでも鋭さと儚さのある音色でシンプルな楽曲を美しく組み立てている。もはや1990年代や00年代的な呪縛から解き放たれているがバンドに注目が集まっている最中に解散している。2020年代でも「Female Fronted」なパンクバンドのプレイリストが作られていても、力強い音で叩きつけるようなハードコアではなく、喪失の痛みと生きることの虚無感を表現するI Hate Sexの弱さ、存在感は際立ってる。

tracklist:
1. Months & Months 02:53
2. Dial Tone 01:58
3. And Yet It Moves 02:36
4. A Certain Kind of Luck 03:04
5. The Flood 02:15
6. Voodoo Dolls of Old Friends 03:45
7. Worry 01:43
8. Mean Pills 00:57
9. Weird Dream, Conscious Stream 01:39
10. No Exit 02:36