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sassya-とVACANTの2020年リリースのスプリット。
自分達の身体が何で出来ているか、自分達の音楽がいったい何を代表しているのか。そのことに意識的であるかどうかは、アウトプットの質に大きく影響する。このスプリットの2バンド、sassya-とVACANT、両者の音は似ているように聴こえてもそれぞれの違いを際立たせた作品になっていると思う。sassya-は2019年に発表した『脊髄』で日本語ロックシーンに切り込んだが、それは不良でもオタクでもない、新しい何かを代表する音楽。越境と横断こそロックンロールの本質だ。一方のVACANTは、無修正の表現に削り出され、内面に突き刺さる鋭利な金属体。純度を高めた日本語のポストハードコア。だからこそ両者の音は別物だと感じたし、向いている方向性も違う。この作品を一足先に聴かせてもらって、もしこの2バンドのどちらかのタイミングが違えばこんなスプリットは実現しなかっただろうし、実現したとしてもその意味は違ったものになるだろう。本人達が意識しているのか、していないのかわからないけれど、今リリースされることに音以上に重要な意味があると思ったので、それを是非感じて欲しいです。

tracklist:
1.吠えないのか / sassya-
2.特火点 / sassya-
3.1200W PILOT / VACANT
4.Freedom of Expression / VACANT