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Laisser Vivre Les Squelettes / Daitro (LP: Gatefold)

  • 3,080 30 Pt )


2005年にリリースされたDaitroの1stアルバム、2021年の再プレス盤では『Y』の再発同様にジャケットはゲートフォールド仕様に変更され、前回再プレスにも封入されていた当時のフライヤーやバンドの記憶を記録したインナーが封入されていて、サウンドだけでなく2000年代を駆け抜けたバンドの、というより今や益々失われつつある「バンド」という形態とは何なのかという核を改めて提示しているかのようにも見える作品となった。人間同士の繋がりは不思議なものを時に生み出してしまう。それはソロアーティストの時代のスピード感にはまるで及ばない、時間とエネルギーの消耗の激しい活動形態ではあるんだけど、人との摩擦が生み出した削りカスこそがバンドの本質だろう。
Daitroの1stアルバムは初期衝動で製作されたような性急な作品ではない。バンドは2002年最初のデモを製作し、その後2003年にEP『Des Cendres, Je Me Consume』、2004年に同世代のヨーロッパ激情の代表格となったRaeinとスプリット(日本ではOto RecordsよりLhasaも加わった3way splitとしてCDリリース)と作品を重ねており、既にバンドとしては出来上がった状態で製作された集大成のようなアルバムだ。鋭くザラついた音色の初期作とは変わり、Ultramarinos Costa Bravaにてレコーディングされた暖かみと奥行きのあるサウンドはバンドの成熟を感じさせると同時に、衝動的なだけではないヨーロッパ型の激情、Screamoのスタイルを確立した。音楽シーンの隅で無視されながら、自分たちとは何かというアイデンティティに関わる問いに向き合った作品だからこそ、イデオロギーでは越えられなかった壁を超え、世界各地の、そして日本のリスナにも切迫した感覚として共鳴を生んでいた。その共鳴は僕がkillieやFuneral DinerやRaein、それぞれに感じるものと同質でもある。

tracklist:
1. Laissez Vivre Les Squelettes 04:38
2. Chaque Seconde 02:10
3. Les Orbites En Eveil 03:42
4. Nous Sommes D'Ici 09:09
5. Comme Du Papier 05:34
6. Pourquoi Les Inconnus Restent-Ils Inconnus ? 03:33
7. Trois Murs Pour La Salle De Torture 06:13
8. Se Noyer, S'Oublier, Regarder Partir 10:15

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