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人の記憶は不思議なもので現実のそれとは違うイメージを作り上げてしまうことがよくある。そしてそのイメージを他者に伝えようとしても同じ言葉から連想されるイメージはその人それぞれの知識、経験、バックグラウンドによって異なる。たとえばパンク、ガレージ、メロディックパンク、こんなジャンル名でもそこから連想するバンド名は違ったりする。僕がまだ東京の西側、調布という街に住んでいた頃、当時住んでいた建物の1Fがメガネ屋とギター屋が入っている謎の店があり、そこによく出入りするようになっていた。ある日、最近引っ越してきたという男(もう名前も覚えていない)が店内にいて話をしていると彼はメタルが好きだという。なんだか意見が合いそうだと思って飲んでみると、向こうは僕の言う「メタル」を知らないし、僕も向こうが言う「メタル」が全然わからない、という初めての経験をした。PROMというバンドはガレージパンク、UKメロディック、札幌エモ、などと形容されている。ザラっと歪んだギターのサウンドは確かにガレージパンク的だと思うし、演歌のような哀愁メロディの入れ方も80-90年代くらいのUKメロディックに通じるのかもしれない。僕はなんとなくThe ReplacementsとかERGS!を思い出した。それでThe Replacements、ERGS!を聞き直してみたんだけど全然違う音だった、あれは一体なんだったんだろう。

tracklist:
A1. ダクト
A2. プルタブが開いても
B1. ドブ川にサヨナラ