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2020年に最も注目を集めたアルバムであるGulchの『Impenetrable Cerebral Fortress』、バンドは解散を発表し、終了と思いきやレコード人気はまだまだ勢いは変わらないしもしかしたらその人気は今後も不動かもしれない。
強靭なフィジカルを誇るボーカルと、鉄壁なリフとグルーブを持つ演奏陣によって繰り出される音の強さが凄すぎてEMOキッズは触れただけでショック死してしまいそうだが、3LA的に見るならそのマッチョさとは少し視点を変えて、彼らの中にある「カオティック」について焦点をあてて聞いていきたい。The Atomic Garden Recording Studioで制作された本作のサウンドエンジニアはJack Shirley、録音、ミックス、マスタリングまで一貫して行っており、バンド側の意図するサウンド、そして今後の思惑を十分に汲んだサウンドになっているはずだ。その最も注目すべき性質は、強靭な音を維持したままいかに繊細な部分までを表現できるかってことだと思う。単に筋肉質な強面のサウンドを突き詰めるだけでなく、90年代〜2000年代カオティックが持つ指先までコントロールされているかのような鋭利さを掛け合わせたことによってもたらされるマジックがあると思う。それが音に異様な神秘性を持たせ、バンドの存在をより大きな何かに錯覚させているのかも。

tracklist:
1. Impenetrable Cerebral Fortress 01:44
2. Cries of Pleasure, Heavenly Pain 01:56
3. Self-Inflicted Mental Terror 02:09
4. Lie, Deny, Sanctify 01:30
5. Fucking Towards Salvation 01:50
6. All Fall Down The Well 01:57
7. Shallow Reflective Pools of Guilt 01:18
8. Sin In My Heart 03:24