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その後の1stアルバム『Repeater』よりも売り上げ枚数自体は多いと噂される、Fugazi初期音源をコンパイルした編集盤CD『13 songs』。
1990年代のポストハードコアの時代は1988年から既に始まっていたということになる。そしてポストハードコア界の象徴的なクラブヒット「Waiting Room」「Bad Mouth」の存在によりもこの先もこの作品の価値は永遠であろうということを感じさせる、アルバムではないのにアルバム以上に存在感のある珍しい編集盤とも言えるのではないだろうか。最初期音源「7 songs」の内容も良いが後半に収録される『Margin Walker』のほうが完成度は高い気はするんだけど、やっぱり「7 songs」の楽曲群のシンプルさっていうのが大きいのかなと思う。加えて1stアルバム以降のギタリスト2名体制よりも初期のギター1本の編成のほうにヘヴィオルタナ感を感じてわかりやすいのかなと思う。Fugaziはアルバム毎にどんどん進化していくのだが、この『13 songs』についてはやっぱりハードコア文脈の延長としても理解できる爆発力がある(とはいえ当時は相当困惑されたらしいが...) ベース&ドラムのグルーヴの妙、そしてIan MacKaye氏のギタリストとしての創造力、ソングライティング能力の開花。でもそれだけじゃない。最初に言ったように1990年代のポストハードコアの時代の幕開けを宣言している。Waiting Roomで自分の順番を呼ばれるまでだらだらと座ってるだけの人生を送るためのEMOじゃない。それは自分で決めること。Ian MacKayeは君の救世主でもなんでもない。このメッセージを伝えるための、新しい音、新しい挑戦が必要だったんですね。

tracklist:
1. Waiting Room 02:53
2. Bulldog Front 02:53
3. Bad Mouth 02:35
4. Burning 02:39
5. Give Me The Cure 02:58
6. Suggestion 04:44
7. Glue Man 04:23
8. Margin Walker 02:30
9. And The Same 03:27
10. Burning Too 02:50
11. Provisional 02:17
12. Lockdown 02:10
13. Promises 04:02