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フォーク/ドローン/アンビエント的なBIG|BRAVEが徐々にメタル感を強化し、より叙情的なポストメタルとなったのがこの2019年作。その契機が何だったのかはわからないが、明らかに社会的なテーマを明確に打ち出したことにより彼女らの表現がサウンド面とは別で語られることになってくる。だがここ3LAディストロでは、あくまで音に沿って解釈をしたい。そうでなければすべての音楽は情報と記号を消費するだけのものだからだ。強く、しかし無機質に反復するビートこそが家父長制が続く既存の社会のメタファーであり、反面自由に、魅力的にビートと反発することなく歌い上げられるボーカルは身体に閉じ込められた精神の逸脱/もしくは疎外される感覚として、その外側にあるものを表現する。いやいやこの聴き方がまさに記号として消費していることになるのか?だが、破壊と創造を叫びながら、自身の価値観も音楽性も更新していない保守的なサウンドの中で叫ばれるスローガンよりも遥かに切実なものがあり、初期作品から表現の軸となっている個人の孤独、疎外感に焦点をあてた深くヘヴィな作品であり、この2010年代以降にSunn O)))の文脈でSouthernLordがリリースするにも相応しい。

tracklist:
1. Muted Shifting of Space 08:41
2. Holding Pattern 09:41
3. Body Individual 10:30
4. This Deafening Verity 02:56
5. Sibling 07:11