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激しい音、ヘヴィな音、硬質な音、2010年代の終わりにリリースされたFIXEDの1stアルバム『Dear』については第一印象はそのストレートさに耳を持っていかれたが、2023年に完成された『NUM』を聴いた時点ではあの当時のようなストレートさはもう感じなくなっている。バンドが変わったのか、自分が変わったのか、それとも自分の感覚を形作る生活や社会といった周りの環境が変わったのか。まぁ全部でしょう、という気持ちを持って臨んでいる。とにかく凄い。

偶々中古CDでZの『新今日』を手に入れて聴き直してみたりしていたタイミングだったのだが、以前からも変わらず突き進んでいる魚頭サウンドの中核とも言える感覚、とんでもなく硬質で、重低音のメタリックというわけではなく感情が乗っかるギターの音が今も更新されていて、この「音だけでメッセージになっている」感覚を体現しているギタリストはマジで少ないし彼は突出している、と改めて感じる。バンド全体としても楽曲のミッドパートの深さ・重さが演奏、サウンド両面でも更新されていることで全体の印象が1stとかなり違ってくる、故に「ストレート」という印象ではなく、柿沼さんの叩きつけるようなボーカル含め、全員の極めっぷりが著しく、正直言って「追いていけねえ」と思わせるほどの突き放しっぷり。例えば今から彼らに追いつこうとして同じ時間、同じ金をかけたとしても追いつく頃には人生が終わっているはず。そこまで極まっているほどの人間たちが出す音というやつに、2000円支払うか躊躇している場合ではない。目標をカートに入れて、ORDER。自身に中にまだ僅かに残っている狂気をかき集めて、この音と向き合いたい。2023年マスト。

tracklist:
1.worship
2.num
3.ground
4.frum
5.roll
6.swell
7.assumption