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我々にはまだ可能性があるのだと信じさせてくれる帯化の最新アルバム『御池塘自治』を分解するむちゃくちゃ面白いZINEと制作過程の残骸集

はっきり言って好きなバンド全員これやって欲しい。2023年に帯化がリリースしたアルバム『御池塘自治』にまつわる裏側の話、制作、演奏のリファレンス、何よりその作品の背景にある思考の一部を改めて文章化することにより、この謎のバンド、謎の作品『御池塘自治』をより楽しめる内容のZINEと、アルバム制作過程で生まれていた録音物(Out-Tracks)が収録されたカセットは作品へ向かう途中にあるバンドの姿を記録している。まさに現在地と目的地を確認する地図的作品であると思うし、自分はバンドの未完成なデモとかが好きなのはそこに”原始”を感じるから。加えて、彼らの表現しているインディーロック(しかし異形、ローファイ、フィールドレコーディング、トライバル、ポストパンク、DIY思想...etcを煮込んだ"何か")とは何なのかという思考まで読み取れる内容が素晴らしいと思う。
インディーロックとは何なのか?聴き感触が良いメロディーとサウンドと批評家の好む文脈にコミットし過ぎジャンルに成り下がっていると感じる昨今、そうじゃない、これは何なんだというある種の「わからなさ」、我々にはまだ可能性があるのだと信じさせてくれるものが必要。そして、それがここにある。ZINEは過去一で面白い内容だった。

(レーベルインフォより)
2023年の2月にリリースされた帯化のサードアルバム、『御池塘自治』の制作について帯化の二人が書き綴ったZINE『弊池塘地図』。
『御池塘自治』の制作過程や、楽器のプレイ、リファレンスとなった音楽について、時に抽象的な語りも交えながら、あらゆる方面から『御池塘自治』をマッピングしていく。また、石川開によって撮影された、帯化二人が冬の街を闊歩する様子を捉えた写真も多数収録されている。
ZINEにあわせて、『御池塘自治』の制作過程で削り取られ、捨て去られていった、老廃物、あるいはメモ書きのような部分を、大雑把に束ねて作り出された音源集『追伸、追而書』のカセットテープと、『追伸、追而書』について解説した別紙も付属する。
本音源が持つ走り書きのような拙さは、作り込まれたアルバム作品よりも、帯化の作家性を純粋に、素朴に反映している。ジャケットは、くしゃくしゃに丸められたメモ用紙に印刷をほどこした、「くしゃ紙ジャケ」仕様。

tracklist:
A1.賽銭箱_zoom2022/1/2
A2.TestMD421/AKG310_9/9/2021
A3.鏡池_MR66
A4.Kourei_波_Studio_試作
A5.お白州
A6.実家_8/27/2021
A7.Test3_Porta2
B1.葛西臨海公園/Studio_2020/2/22
B2.Blackbird_Test
B3.楽しく働こう
B4.mr66_実験/2021
B5.池塘
B6.エクスペリエンス