関連タグ: 2010年代 Alex C.F. 宇宙的 ポストメタル

ex.Light BearerのAlexが中心となり始動したアトモスフェリック/ポストブラックの2nd、ドイツのAlerta AntifascistaとアメリカのHalo Of Fliesによる共同リリース。
Alexのキャリアはイギリスからネオクラスト的文脈の中で評価を得、その後急激にポストメタル化していたFall Of Efrafa、そして壮大な構想がありつつも途中で空中分解してしまったLight Bearer、その2つのバンドで評価が確立している。その他にも様々なプロジェクトやアートワークにも参加しているのだが、彼の凄さはどんなバンドを始めても、時流とは少しずれたところがある。音楽性が「早すぎる」こともしばしばだが、このArchivistはenvyや日本の激情ハードコアたちがやってきたアプローチを欧州解釈でやったらこうなりましたというような、日本人からすると少し懐かしい感じがする。
多幸感のあるアトモスフェリックなサウンド、立体感のある音像や美しく透き通ったギターのメロディといった要素に、激情ハードコアの荒々しいエモーショナル部分や、ポストブラックメタルの鋭いトレモロギターもミックスさせ、長尺の曲たちが並び、アルバム全体でひとつの作品のような統一感が保たれる。Alexの音楽へのこだわり、美意識といった部分に支えられたトータルコンセプトは過去のバンドの作品達とも共鳴しながら今に続いている。とはいえ、Alexはエクストリームシーンの最前線とは別のところで不思議なシーンを牽引している存在だ。

tracklist:
1. Lamenting Configuration 07:10
2. Birth Of Ire 06:42
3. Property? 08:00
4. The Negotiation 05:53
5. Scorched Earth Policy 07:47
6. The Reconstruction 07:06
7. Mysterium Cosmographicum 05:20
8. Witch Finder 08:48
9. An Epiphany 03:12
10. The Theosophical Digressions Of Artificial Intelligence 08:53