関連タグ: ベルギー Tokyo Jupiter ポストロック TBHR 2010年代 欧州激情 アトモスフェリック

来日公演最高でしたね・・・。
ベルギー産ポストロックThe Black Heart Rebellionが辿り着いた新たなる境地。国内はTokyo Jupiter Recordsより2013年にリリース、国外ではSmoke & Dust Records、Adagio830 Records、 Consouling Sounds Records等からもリリースされLP盤はRough Tradeにディストリビュートされました。それだけの高い注目度を集めた本作は遂に欧州激情影響下のサウンドを完全に脱却し、アンビエント、フォーク、民族音楽も取り込みオリジナリティを確立しており各地からの絶賛も決して過大評価ではないです。
1stと比較すると使用している楽器もパーカッション類が大幅に追加されたようで、そういった楽器の使い方も凄く良いです。打楽器って弦楽器よりも本能に訴えかけてくるというか最も原始的な表現のひとつだと思いますが、そういう原始的な部分とアトモスフェリックなサウンドと楽曲そのもので見せる精神的な高みという部分をミックスさせた荘厳な空気感がより神秘性を高めているのでしょう。Year Of No Lightも2ndで楽器編成を変更しサウンドの変革を目指しましたが、TBHRにもそういったことが言えそうです。TBHRに関して言えばサウンドの高みを目指したというよりも精神的な高みを目指したのかもしれません。リズムパートはより本能に訴えかけ、サウンドはより精神に訴えかける。激情やポストロックバンドでこの方向でサウンドを完成させたバンドは知る限りいないし本当にアイデア、冒険心溢れてます。
そういう表現、エンターテインメントと言ってしまえばそれまでですが、自分にとって完成されたエンタメは芸術。これがパンクなのかハードコアなのかと聴かれれば答えはNOなのかもしれませんが、シーンの文脈からはみ出したギリギリのライン、その外側を狙ったサウンドはポストロック以外のリスナーにも必ず届くものとなるでしょう。そういった意味でもバンドの今後の展開を含め、めちゃくちゃ面白い作品です。

Tracklist:
1. Avraham
2. The Woods I Run From
3. Circe
4. Animalesque
5. Crawling Low And Eating Dust
6. Ein Avdat
7. Gold And Myrrh
8. Into The Land Of Another