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Centuries「自分たちが、どう在りたいかを知った上で、全てを出し尽くしたレコードだ」


Centuries 2009 -> 2012、変わっているようで変わってない。


◾︎ Centuries
2017年末から2018年の新譜が届いていて、個人的にレコードを買っているものも含めて良い作品がいままで以上に増えている印象がある。今年は豊作の予感が既に漂っている。そんな中で今回取り上げるのはCeturies、SouthernLordから2ndアルバムがリリースされるのでちょうど良いと思う。同時期にリリース予定のAgrimoniaの新譜も、これまでの北欧ブラック/クラストから更に遠ざかっていてそちらも注目なのだが、2010年代初期の登場時から取り扱ってきたCenturiesについて焦点を当ててみたい。

◾︎ メンバーの住まいが遠距離でも活動している
Centuriesはアメリカのバンドではあるけれど、メンバー構成は少し特殊だ。現在メンバーはペンシルバニアのピッツバーグ、テネシーのナッシュビル、これだけでも結構距離があるのに更にUKのマンチェスターに住んでいるメンバーもいる。メンバーが近距離のバンドは近距離故の良さがあるが、メンバー間が遠距離の場合、それぞれのメンバーの責任やモチベーション、そしてバンドの結束力なんかも試される。2008年に結成されたCenturiesが今年で10周年を迎えているのはバンド寿命の短いアメリカではベテランの域に入ろうとしていると思うし、メンバーが引っ越しで遠距離になっても高い創造力を維持している。



◾︎ 知的さとロックンロール感
バンドの音は当初は「ブラッケンド」な文脈で語られている。3LAでもそのように扱っていたけど、彼らには知的さとロックンロールさが初期から備わっていた。今回リリースされる最新作『The Lights Of This Earth Are Blinding』は、ああアレこそがCursed感だったんだと気づかされた。アルバム前半部はハードコアルールに則ったライブ定番曲になりそうなナンバーが並ぶが、中盤部から明らかにそのハードコア感がバグりだすのが面白い。彼らのサウンドは結構計算尽くされていて、その全てに意図がある。中盤のバグり部分以降、一気にギターリフがドープになっており、音使いも変化しておりアルバムが別の姿を見せ始める。

データで聴いていると意識しないが、レコードだとこれがA面、B面の違いになっている。A面のラストで「針が飛んだのかな?」と思わせる仕掛けがあり、B面への伏線となっている。まるで別バンドのように姿をかえ、ミッドテンポ中心だが、ブラックメタル要素を自分たちのサウンドへ落とし込んだ解釈を展開する。「ブラッケンド」と呼ばれるバンドが2010年代後半にそれぞれの解釈を飛躍させ、サウンドを変えていく中で、このCenturiesの音の進化は驚かされた。彼らのブラッケンド感=ドープさ=Cursed感、間違いない方程式だ。メタリックだけどマッチョじゃない、怪しさ全開の雰囲気のハードコアは面白いし、この多様性を提示していく姿勢はConvergeの最新作にも通じている。Agrimoniaも普遍性のある進化をしていくんだけど、こういった流れと全く別文脈なのにSWARRRMもどこかでリンクするようなものがあるように感じている。ラストトラックまでの流れも最高で、SothernLordがバンドのポテンシャルを2013年で感じて契約していたのだとしたら恐ろしい。


◾︎ 「自分たちが、どう在りたいかを知った上で、全てを出し尽くしたレコードだ」
BLOWTHRSCENEのインタビューによると、「最初のレコードは、本当にただレコードを出したいという願望によって生み出された」とメンバーが答えているとおり、初期衝動的であったしそれ故の勢いがあった。2013年のNocturnal CultのインタビューではTorch Runnerを観た衝撃が影響していることを認めている。ただし新作では姿勢も変わり「自分たちが、どう在りたいかを知った上で、全てを出し尽くしたレコードだ」と語っており、ブラッケンドと呼ばれるジャンルの影響下から自分たちの進むべき方向に抜け出し、サウンドを確立できたという自信がにじみ出ていると感じた。

◾︎ ジャンルにこだわりながらも、囚われない
「ネオクラスト」も「ブラッケンド」も賛否両論の中で、やっぱりそれが盛り上がってきて旧世代の「否」が大きくなってきた時が面白い。批判が大きくなってきたその時に「そのジャンルの名前がついた音楽性の領域」って、「そのジャンル名で後に呼ばれる革新的な人たちの音楽性の最前線」のずっと後ろのほうにあって、だから大概の批判は的を外しているし、シーンを作ってきた人たちは「どんな呼び名でそれを呼ぼうと関係ねえ」ってスタンスで、ずっとその先のほうに居たりする。それは激情ハードコアのシーンも一緒か。envyもkilliも、既に別のところにいる。ジャンルにこだわりながらも、そこに囚われない精神で作られる音楽は面白い。
止まらずに進んでいく音楽の向かう先はどこなのか。そのジャンルの中に何を見出すのか。そこにドキドキしていたいですね。

The Lights of This Earth Are Blinding / Centuries (LP : White)


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