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Interview with Tarsius Tarsier by Karol Kamiński 2015(IDIOTEQ.COM)


『Ceremonia de Atadura de Manos』発表以降、Tarsius Tarsierについてのレビューは増え続けている。その動きはスペイン語圏が中心となっているがドイツ語や英語のものも現れ始めようやく外の世界に少しずつ伝わって来たという印象がある。その中でも英語でのインタビューを敢行したIDIOTEQ.comの記事を日本語に翻訳したので紹介します。IDIOTEQの「Tarsius Tarsierが激情ハードコア文脈を継ぎ足していこうという意志のあるバンドであり、詩的な歌詞も特徴的である」という彼らのレビューは3LA的解釈とかなり近いものでもあり、そういった点にも言及してもらえたのは嬉しい限りだ。今回はIDIOTEQからの許可を受け日本語訳を掲載。インタビューはスペインのシーンはもちろん、レイシズムや政治問題についても触れている。まだ文献もあまりない彼らだけに語れることは極めて少ない。それ故にインタビューは貴重なのだ。今回のインタビューはKarol KamińskiFebruary氏によるもので日付は2015年2月20日となっている。

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INTERVIEW WITH TARSIUS TARSIER by Karol Kamiński 2015(IDIOTEQ.COM)

『Ceremonia de Atadura de Manos』はスペインのハードコアTarsius Tarsierによる彼らがルーツとしている怒りに満ちたハードコアやスクリーモといったジャンルの音楽を見事に再編集し拡張していくものである。彼らが発表したレコードは誠実なもので、それでいてあまりに唐突な登場でもあった。特に読者の皆さんに紹介したいと思った理由は彼らの詩的な歌詞の中にいくつかインスパイアされるものがあるだろうと思ったからなのだ。

Q:こんにちわ。今回はスペインのバンドをIDIOTEQに紹介できて嬉しいです。どうぞバンドを我々の読者に紹介してください。君たちは何者なんだ?バンドはいつ、どうやって結成されたのですか?

Manuel; guitars(以下M):マドリードからこんにわ。まず最初に我々Tarsius Tarsierに興味を持ってくれて本当にありがとう。 TARSIUS TASIERはJavi (vocals)、Pedrosa (drums)、Jechu (bass)、そして私、Manuel(guitars)によって結成された。残念ながら読者にとってこのインタビューはありふれた内容になってしまうだろうね。僕らのバンドはまだ結成して2年しかたっていない。私とJechuとJaviがまず速くて暗くて激しいハードコアをやろうと思いついてドラマーを探し始めて、1ヶ月後にPedrosaが加入した。そのプロセスはめちゃくちゃスピーディだったよ。数ヶ月後には最初のライブをしてすぐにレコーディングをしようと考えてた。

Q:TARSIUS TASIERとはどんな意味なのですか?名前の由来は何なのでしょう?

M:TARSIER TARSIUSとは霊長目の動物(メガネザル)の一種の名前だよ。俺たちはその動物がめちゃくちゃ好きっていうわけじゃないけど、何かこうシリアスな名前を付けようとすることに疲れてしまったんだ。だからバンドの名前は耳障りが良ければなんでも良いだろうという話になった。名前を考えるのって結構苦痛なんだ。

Q:2014年のバンドはどんな感じだった?たくさんのライブをしたのですか?

M:2014年は我々にとって本当に素晴らしい年になった!想像できるようにたくさんのライブもできたし、ファーストアルバムも発表することができたし2014年は素晴らしい年だ。もっと謙遜するべきなのかもしれないけど。

Q:ツアーもたくさんしたのですか?何か最高の出来事となったことはありますか?

M:残念ながらツアーには出ていないんだ。地元のライブとレコーディングのみだよ。でも今度の春にはツアーを計画している。

Q:どうやってクラストハードコア/スクリーモのバンドが日本のレーベルとチームを組む事にあったの?LongLegsLongArmsと組むことになった経緯を教えてください。今まで一緒に取り組んだりするのはそのDIYレーベルだけですか?

M:Ivan、彼は本作のプロデューサー的立場なんだけど彼が我々とレーベルを繋げてくれた。LongLegsLongArmsはIvanのバンドであるKhmerやIctusをリリースしていて、Ivanがレコーディングが終わったときにレーベルオーナーのAkihitoにコンタクトを取っていたんだ。彼にアルバムのリリースを打診して、OKといわれて本当に驚いた!

Q:マドリードのハードコアシーンについてもっと聞かせてください。どれくらい活発なのですか?あなたの地域では"パンクでありつづけること"について賛否両論がありますか?

M:それは難しい質問だね。ここのシーンはとてもオープンだけれども、それが積極的に拡散されているというわけでもないかな。他のスタイルのバンドとライブをするのもそんなに珍しい光景でもない。例えば最近のライブではストーナー、グラインド、メタルバンドが同じショウで共演したしそういう感じなんだ。実際多くのバンドがマドリードでは活動しているよ。

Q:それでは別の視点からの質問ですが、ハードコアパンクシーンの中にもレイシズムの問題はあります。Tarsius Tarsierもそういった問題を扱ったりすることはある?

M:俺は、バンドとしてレイシズムの問題を扱ったことはないよ。外国人がメンバーにいるバンドもたくさんあるけれど、それでもそういった問題に直面することは少ないかな。たまにそういった問題が起こる事はあるけれどマドリードのアンダーグラウンドシーンにおいては、それは極めて稀なケースと言えるだろうね。

Q:一般的にスペインにおいてレイシズムという問題はあるの?

M:スペインにもあるよ。それは否定できない。我々が住んでいる南マドリードでは多くの移民が住んでいて、分かるだろう?多くの人々が不満やいらだちを弱者(外国人達)にぶつけているのさ。原因は経済的な危機によるものが大きいだろう。

Q:あなた自身は何かの活動団体や政治結社などに参加したりしていますか?

M:それはない。どんな政治活動にも参加するつもりはないよ。

Q:しかし、スペインではあなたを政治的にさせる問題も多くあるのでは?

M:経済危機により請求書やローンを支払うことができなくなり、自滅に向かっていくような生活で暮らしていると不満のはけ口としての政治活動を見つけてしまうものなんだ。人々はこんな状況にはもう耐えられなくなっているのだけれど、幸運なことに新しい政治結社も生まれて若い人や新しい考えを持った人も去年から現れている。彼らがこの社会状況に希望を見出せる様な活動をしていくかどうかは期待したいところだ。

Q:ありがとう。最後の前に何か言いたいことはある?

M:サポートしてくれて本当にありがとうと言いたい。とても素晴らしい体験だった。今回手伝ってくれたMigueloud氏(WORMED)にもありがとう。

Q:ありがとう。またどこかで会いましょう。

M:Cheers!!



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以上です。
彼らは彼らの周囲には色々な問題があることは自覚しているが、"政治的になる"ということが不満のはけ口になってしまうこともあるという立場なのは印象的だった。インタビューの内容としてはまだまだ薄いが、楽曲の世界観が詩的でつかみ所がないのも原因なのかもしれない。彼らは現実の不満を芸術に反映するタイプではないが、バランスの保った知的さも兼ね備えているので次の作品、その次の作品と進むにつれてその哲学をより深く研ぎすませて欲しいところである。

『Ceremonia de Atadura de Manos / Tarsius Tarsier』

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