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彼らは自身のサウンドを更新した。すべてが間違いない。試行錯誤の末に自身の限界を突き抜けることが必要なのだ。

いったい何が起きたのか。フランスのFangeが発表した2020年のアルバム『Pudeur』から4ヶ月後にアナウンスされたEP『Poigne』はバンドサウンドは更に進化している、が進化というよりぶっ壊れはじめている。前アルバムでの強靭なサウンド、メタルとノイズ/インダストリアルを融合させた『Pudeur』はある意味完成系のようにも見えたが、本作ではそれすらも解体、よりノイズとインダストリアル要素をブーストさせまたもや別バンドへと変貌している。それでいて、繊細な部分では美しさを担保しているのだからやはり方向性としてはやり過ぎているとはいえ前作の延長戦上にあると言うことも出来るのかもしれない。アルバムでは実現できなかった実験的要素を推し進めた背景には、コロナウイルスによりロックダウンされスタジオに入ることもままならない状況に追い込まれたことがある。彼らが、自分たちが何ができるのかという問いを経て、導き出された答えがこのサウンドだ。それは「このサウンドが答え」という意味ではない。困難に直面したときに人に何ができるのか、試行錯誤の末に自身の限界を突き抜けることが必要なのだという結論と、そこからの行動だ。彼らは自身のサウンドを更新した。すべてが間違いない。

tracklist:
1. Les Jours Azurs 03:43
2. Flamme Mourante 02:58
3. D'Un Désarroi L'Autre 03:34
4. Géhenne 05:08