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TO OVERSEA #07 : quiqui台湾ツアーレポ BeastieRockFes巨獸搖滾音樂祭編 (2018/11/1)


日本の音楽を海外へ広げていこう、というところから始まったquiquiとの台湾ツアー、Revolverに続くBeastieRockFes巨獸搖滾音樂祭編です!

バックナンバーはこちらから
TO OVERSEA #01 : 3LA、海外に進出します
TO OVERSEA #02 : 動き出した計画
TO OVERSEA #03 : 台湾編スタート
TO OVERSEA #04 : quiquiに会いに行く
TO OVERSEA #05 : quiqui音源をリリースします!
TO OVERSEA #06 : quiqui台湾ツアーレポ Revolver編
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翌朝起きてすぐに台北から淡水へと移動が始まる。淡水は台北から西へ電車で1時間くらいの場所にあり、車窓から見える景色も台北の都市的な様子からかなり様変わりして田舎っぽくなっていく。BeastieRockFesは海に流れ込む川の岸にある公園にて行われる。そこから見える景色はとても美しく、会場到着前にかなりチルな雰囲気になってしまった。夕日が沈んでいく瞬間も見ていたけど格別過ぎた。


(会場から見える景色...日が沈むときはカップルが集まってた)

FesはDIYのフェスで若者たちの手で運営されている。聞いたところスタッフはボランティアで参加しているのがほとんど。他のフェスでもスタッフとして働いている人も、このBeastieRockを手伝うために動いていることがわかった。若者が手作りで作っているフェス、なので金の匂いはほとんどしないが、ダンに聞いてみると、会場が別の場所になってスポンサーもついているのでよくなっているらしい。そう言われてみると、たしかにモンスターエナジーのテントも出ていた。 フェス出演するバンドのジャンルは、もうめちゃくちゃなカオスでアイドルもメタルもいて、文脈とか関係ない感じ。行く前に、前年までのフェスの写真を調べたらステージも何もない野原で演奏していたり、全然お客さんのいないライブ写真もあったんだけど、実際行ってみるとそんなことはなくて若者が集っていてエネルギーに溢れている。まだまだ黎明期って感じで、ジャンルの壁が生まれるほどジャンル内でのシーンが成立していないという印象だ。


(物販は基本、会場のスタッフに販売を任せるらしい。が、やはり本人がいたほうがいい。quiqui見てない女子が猫デザインだという理由だけでTシャツを買っていった)

日本からのバンドも多く出演していて、この日はトリコンドルという札幌のインストバンドが会場を沸かしていた。注意して聴いてみると、台湾には日本のインディーロックやマスロック的な音に近いバンドが結構いる。逆にUSやEU系の音の影響を感じるバンドはほとんどいなくて、唯一ANTEATERというバンドのみヘヴィグルーヴなストーナーロックを鳴らしていて彼らは格好良かった。


(札幌のトリコンドル)


(ANTEATER=食蟻獣、君たちの音はストーナーだよねって言ったらすごい喜んでいた。まずストーナー聞いてる人口自体、レアらしい)

thisquietarmyは野外ではなく会場唯一の屋内ステージで演奏。古いレンガ造り倉庫を改装してイベントスペースとして使用できるようにしており、見た目もおしゃれだし音がよく響く。お客さんは立って聴くのではなくみんな座ったり、倉庫の柱にもたれながらエリックの紡ぎだすアンビエントノイズに浸っていた。日本にないシチュエーションなので羨ましい。そのあとquiquiの演奏する「樹下ステージ」を見に行ったら会場の一番奥地で正直一番不利な場所だ。皆ここまで見に来てくれるか?とメンバーと若干不安になったので、フライヤー配布作戦開始。なんとquiquiメンバー、会場いたほぼ全てのお客さんにフライヤーを配布。彼らのやる気を感じた。


(古い倉庫は歴史のある建物みたいです。この場所とthisquietarmyの相性の良さよ。聞きながら寝てる人もいた笑)

夜はバンドと夜市に繰り出す。台湾は夜の商店街が有名で、様々な珍味も楽しめる。しかし夜市という割に22:30でほぼすべての店が一斉に閉店したので、我々は夜市をほとんど楽しむことが出来ず晩飯難民と化す。台湾の野良猫と戯れたり路上の大型Gに怯えながらなんとか中華屋にて食事を取り、初日は終了。


(夜市の様子...quiquiのメンバー臆せず珍味に挑戦していくのがすごい。感想はだいたい「めちゃうまい!」)

さて2日目。会場に到着して初日と比べるとお客さんの数も倍以上になっていてフェス感が増している。ステージによって集客の差はあるものの、入れ墨入れまくったサブカルギャルやヒッピーのようなおじさん、髪を逆立たせた明らかなパンクス、酔っ払い、さまざまなバックグラウンドの音楽リスナーが行き交っており、フジロックのミニチュア版みたいな雰囲気になってきた。夜になると会場の明かりも吊るされた電球に照らされ、祭感がさらに増していく。


(髪を逆立たせた明らかなパンクスは、出演者だった。共犯結構というバンドでGBHみたいな音)

夜になりquiquiの出番になると昼間のムードと変わり、「樹下ステージ」はシンプルな照明と木々の影の中で怪しい暗闇になっている。前日の下見をうけ、急遽購入した激情ライト仕様で挑むことにしたバンドは、すべての照明を落としてもらうよう依頼し、ステージ上の照明は裸電球ひとつとなる。客はほとんど集まっておらず20名くらいの客が見守る中演奏がスタート。頭からハイテンションな演奏で始まると、少なかったお客さんは漫画BECKのシーンみたいにどんどん増えていく。Revolverではアンプ1つで音を出していたギターも、こちらではアンプ2台で爆音仕様に。静と動を行き来しながら、見事彼らの激情を表現し切っていた。


(フェスで一番気に入っている写真がこれ。ステージの後ろから撮ったもの)


(映像も少し..!初回出荷のCD+DVD盤を入手してください)

見ているお客さんもおそらくほとんどが激情未経験者だったのだろう、ポカンとみており、演奏後拍手よりも静寂に包まれたり、という不思議な空間でもあったけど、バンドの出番が終わると何人も物販に音源を買いに来てくれた。どんなことを歌っているんだ?何をインスピレーションにしているんだ?とRevolverの時と同じように質問攻めされていたのが印象的だった。Revolverよりもアウェイな環境だったと思うけど、この反応こそがバンドの音が伝わった証明と言っていい。真剣な質問にquiquiも答えていた。

片付けをしてquiquiの後の出番のUS:WEの大人の激情を聴きながら、この場に漂っているピュアさを感じた。若者のピュアさで運営されたフェスで鳴らされるquiquiの音の相性が完璧だった。この場所は今年で終わりという話も聞いたが、ずっと続けてほしいと強く思った。ここで出会った人もたくさんいるので、絶対次の機会につなげていきたいですね。


quiqui-『町の鈴生り』特設サイト >>> http://longlegslongarms.jp/3la_releases/24/quiqui.html
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